安全に資産形成をしていこうと思うなら、論理的思考ができなければなりません。論理的思考を養うためには、株式でも、不動産でも、ある分野について知識を得る必要があります。これは、誰もが理解できていることだと思います。
しかし、理解できていても、投資の段階で論理的に物事を考えれるかどうかは別問題です。
心に余裕がなければ論理的思考はできない
どんなに深い知識を持っていても、感情をコントロールできずに無謀な投資をしてしまうことがあります。人間は常に冷静でいられる生き物ではありませんから、誰だって感情で行動することがあります。
資産形成においては、常に心に余裕を持つことが大切です。
しかし、心に余裕を持つことは簡単そうに思えて実はとても難しいです。例えば、1年後にどうしても500万円の資金が必要だったとしましょう。そして、現在、貯金が50万円しかなかったとします。
平均的な年収を得ている人だと、1年後に用意できる資金は50万円の貯金と合わせても250万円程度でしょう。そうすると、1年後に500万円の資金を作るためには、投資で50万円を300万円に増やさなければなりません。1年間で元手の6倍まで増やす投資なので、リスクが高い投資になることは容易に想像できます。
こういう状況に立たされると、人は冷静さを失い論理的思考ができなくなります。そして、危険な投資に手を出し、元本割れを起こしてしまうのです。
余裕資金での投資は論理的思考ができる
反対に1年後に500万円の資金が必要でも、現在、預貯金が1,500万円あれば無理な投資をする必要はありません。何もしなくても、預貯金から500万円を用意できるからです。
さらにまだ1,000万円の余裕資金がありますから、株式投資をする場合でも、冷静に企業の財政状態や経営成績を分析して安定している企業の株式を取得できます。
投資は余裕資金で行うべきだと言われるのは、これが理由なのです。
一発逆転を狙って投資をしようとすると、どうしても自分に都合の良いことばかりを想定してしまいます。だから、他人が見たら危険な投資だとすぐにわかるようなことに全財産を注ぎ込みます。
お金に余裕がない時に投資をすべきではありません。コツコツと預貯金を増やして、将来の投資資金を増やす努力をしましょう。