余裕資金での株式投資は大きく稼げないことを理解する

株式投資は余裕資金の範囲内で行いましょう。

これは、投資関係のメディアでよく言われていることですし、私もこの考え方に賛成です。では、余裕資金とはどのくらいなのでしょうか?これは、その人の収入や預貯金に左右されるので一概にいくらと断定できません。

余裕資金は一般的に預貯金よりも少なくなる

ただ、一つの指標として、株式投資に回せる余裕資金は預貯金よりも少なくなると考えられます。

現在、1,000万円の預貯金があるのであれば、株式投資に回せる資金は500万円未満になるでしょう。2,000万円の預貯金があるのなら1,000万円未満が投資資金となるのではないでしょうか?

もちろん、1億円の預貯金があれば7,000万円くらいを株式投資に回して損しても、生活が破綻することはないです。しかし、こんなに多くの預貯金を持っている人は滅多にいません。

また、将来、マイホームを購入することを考えている場合には、取り崩せる預貯金は少なくなるので、投資に回せる資金は預貯金の1割か2割程度になるでしょう。

株価が2倍になっても総資産の増加率はわずか

仮に現在の預貯金が2,000万円で、将来マイホームの購入を検討しているとします。株式投資に回せる余裕資金を200万円としましょう。

この余裕資金を使って株式投資をし、10年後に株価が2倍まで上がったとします。すると保有株式の時価は400万円となります。もしも預貯金に増減がなければ、預貯金1,800万円に株式400万円を合わせた2,200万円が、家庭の総資産となります。

したがって、10年間で総資産が10%増加したことになります。年率で約1%の利回りです。

余裕資金での株式投資では、総資産の増加は意外と少ないのです。だからと言って、預貯金の大部分を取り崩して株式投資をしろというのではありません。

安全に余裕資金の範囲内で株式投資をする場合、預貯金に少し上乗せできる程度の運用益を得るのが目的だと理解しましょう。