資産運用は当初の予測通りにいかないから分散投資する

株式でも為替でも、将来の値動きを確実に予測できれば資産運用は簡単です。1年後に自動車メーカーの株価が1.5倍になるとわかっていれば、誰だって自動車メーカーの株式を買います。3ヶ月後に米ドルに対して円が10円安くなるとわかっていれば、今のうちにドル預金をします。

確実に得するとわかっている投資ですから、当然、誰もが持てる財産の大部分を自動車メーカーの株式に投資するでしょうし、銀行預金の大半をドル預金にするはずです。

確実性の高い状況では一極集中投資をする

このように将来確実に得するとわかっている投資対象があれば、それに一極集中投資をするのが最も効率が良いです。しかも、確実に運用益を得られるのですから、当該投資対象にほとんどすべての財産を投資することは安全な資産運用にもなります。

ところが、投資のプロや資産運用のプロと呼ばれている人たちは、一極集中投資をするのは危険だと言っています。

それはすなわち、将来の値動きを確実に予測できないから一極集中投資ではなく分散投資をして様子を見ろということです。投資のプロや資産形成のプロでも、特定の投資対象の時価が将来どのように変動するのか言い当てれないから分散投資をすすめているのです。

分散投資なら損益が相殺される

株式、債券、不動産、金など投資対象はいくらでもあります。

預貯金も含めて、これらの投資対象に分散投資すれば、ある投資対象に予想外の値動きが起こり含み損が発生しても、他の投資対象の時価の上昇が同時に起こっていれば損益を相殺できます。

投資する前は、いろいろと調べて特定の銘柄が値上がりするだろうと予測しているはずです。しかし、その予測が必ず当たるわけではありません。むしろ、投資のプロでも分散投資をするのですから、そうでない人が将来の時価の変動を言い当てるのはとても難しいことと言えます。

プロでさえ将来の時価の変動を言い当てられないから分散投資をするのです。

会社勤めをしている人は、投資のプロよりも投資の勉強に使える時間が少ないのですから、彼ら以上に分散投資をしてリスクを減らさなければなりません。