現在のような低金利時代では、定期預金や定額貯金にお金を入れていても微々たる利息しか受け取れません。だから、低金利時代には、預貯金ではなく株式投資が有利な資産運用だと言われることがあります。他にも不動産投資、外貨預金なども預貯金よりも有利な資金の運用先として紹介されていますね。
しかし、金利の高低に関わらず、いつの時代も預貯金は不利な資産運用だと言われる傾向にあります。
バブル期も預貯金より株式投資が有利と言われていた
1980年代後半のバブル経済絶頂期には、株価がうなぎ上りに上昇していったことから、株式投資をしない人はバカだと言われるような風潮がありました。
しかし、現在から振り返ると、バブル期に株や不動産に手を出していた人の多くが大損することになったので、あれがバブルだと気付かずに株や不動産に投資した方がバカだったんだと言われています。
バブル期は、金利も非常に高かった時代で、郵便局の定額貯金の利率は5%を超えていました。所得税20%を差引かれても年利4%の利息を受け取れたのですから、今から考えると、これほど安全性が高く効率的な投資対象はなかったのではないでしょうか?
ところが、バブル期には誰もが株や不動産ばかりに投資しており、定額貯金のような利回りの低い資産運用はあり得ないと考える人が多かったのです。
結局、いつの時代でも、金利の高低に関わらず預貯金は資金の運用先として魅力がないものだと言われ続けているのです。
利息を受け取れるだけでも魅力的な運用先
いつだって預貯金は、資産運用の対象とされません。
バブル期の年利5%でさえ魅力的だと思う人が少なかったのですから、今後も預貯金が魅力的な運用先だと主張する人はほとんど現れないでしょう。
しかし、今から思えば、バブル期の年利5%の定額貯金の金利は非常に魅力的です。その魅力に気づくのは、多くの場合、随分と後になってからです。だから、今のような低金利時代では、預貯金は魅力のない投資先だと言われていたとしても、10年後、20年後には、あの時、預貯金で資産運用しておけば良かったという意見が出てくるかもしれません。
安全な資産運用の基本になるのは預貯金です。増やすことだけが資産形成ではありません。減らさないことも立派な資産形成なのです。少なくても利息を受け取れるだけで魅力的だと思えるようになることも大切です。