投資は自己責任です。自己責任とは、投資判断に必要な情報が正しく開示されている場合、その情報に基づいて投資を行った結果は投資家に帰属するという考え方です。
業績の良い企業の株式は将来性があると思って取得し、予想通り株価が上がって利益が出たなら、その利益は投資家のものです。反対に業績が悪いとわかっていながら、V字回復を夢見て株式を取得したら、当該企業が倒産し株式が無価値になった場合も、その損失は投資家に帰属します。
投資家は疑い深くあれ
投資が自己責任である以上、投資家は疑い深くなければなりません。たまに知人から聞いた儲け話を信じて大金を預けた結果、大損したという事件が発生します。これは、投資のために必要な情報を自ら集めようとせず、知人の「儲かる」という言葉だけを信じ投資判断した結果発生した損失です。
投資対象は何なのか、どういう仕組みで運用益が得られるのか、損する場合はどれくらい損するのかなど、投資の前に知っておかなければならない情報はたくさんあるはずです。それなのに知人の言葉のみを信じ投資の決断をするのは、非常に危険です。
慎重な投資家は、このような儲け話に乗りません。常に自分自身で投資に必要な情報を集めようとしますし、十分な情報を集めた後も自分の判断で投資をするかどうかを決断します。つまり、投資家は、常に疑い深くなければならないのです。
他人を信用する投資
こんなことは投資家なら当たり前に知っていることです。でも、疑い深くない投資家は多いものです。
例えば、投資信託を買っている投資家ですね。投資信託は金融機関を信じて投資しているのと変わりません。金融機関が、将来価値が上がりそうな株式、債券、不動産などに分散投資した金融商品を買うのですから、これは金融機関を信用した結果の投資行動と言えます。
どんな株式や債券を組み込んでいる投資信託かわからなければ、それぞれの株式や債券を自分自身で評価しようがありません。だから、投資信託は金融機関を信じて投資することになります。
投資信託を買うのは自由ですが、その投資判断は金融機関を信用することに重きを置いていることは理解しておきましょう。