世の中には、投資で失敗して借金を返せなくなり自己破産をした人がたくさんいます。
500万円の元手で株式や不動産などに投資をしたのなら、損をしても多くて500万円のはずです。それなのに多額の借金まで負って返せなくなり自己破産をするところまで追い込まれるのは、投資にレバレッジ効果を働かせようとしたからです。
投資資金の何倍もの取引ができるレバレッジ効果
レバレッジとはテコのことです。
テコは、小さい力で大きいものを動かすことができます。投資の世界でもテコの原理を利用して、少額の資金で多額の投資をすることが可能です。
先物、オプション、スワップなどの金融派生商品(デリバティブ)を利用するのです。
先物取引の場合だと、保証金として差し入れた資金の数倍や数十倍、中には数百倍の取引をできることがあります。10万円の保証金を差し入れただけで100万円や1,000万円の取引ができるのが先物取引の特徴です。
仮に10万円の保証金で100万円の取引をしたとしましょう。そして、3%値上がりして103万円になったとします。この場合、10万円の保証金だけで3万円の利益を得ているので利益率は30%です。
100万円から見ると3万円は3%でしかありませんが、保証金の10万円から見ると3万円は30%。これがレバレッジ効果です。たったの10万円の保証金を差し入れただけで、100万円の取引ができ、得られた利益の全てを手にできます。小さな資金で大きな取引をできるのは、まさにテコの原理です。
保証金をすべて失うことも
レバレッジ効果は、利益が出た時だけでなく損失が出た時にも働きます。
先の例だと、100万円が元本割れを起こして80万円になった場合です。この場合は20万円の損失です。差し入れた保証金は10万円なので、追加でもう10万円を金融機関に支払わなければなりません。
もしも、10万円を支払えなければ借金をしなければなりません。
投資で損をして借金を返せなくなるのは、レバレッジ効果を働かせた取引をした結果なのです。余裕資金の範囲内で投資をしていれば借金をするはずがありません。しかし、余裕資金でデリバティブに投資した場合には、余裕資金全てを失うだけでなく、その他の蓄えも失うことだってあるのです。
そして、最悪の場合は借金を返せなくなり自己破産をするしかなくなります。
株式の信用取引もデリバティブと同じです。
本来デリバティブはリスクヘッジのために利用するものです。ヘッジ対象がないのにデリバティブに手を出すのは単なる投機です。