株価がなぜ動くのか?
経済の動向や為替相場などから株価変動の理由を導き出そうとしますが、もっと単純に考えれば投資家が株式を売買するからというのが答えになります。つまり、株価は投資家の都合で動いているのです。
マイホームを買いたい投資家がいれば株価が下がる
株式をいつまで保有し続けるかは、その投資家の価値観によって異なります。老後の資金を蓄えておくために株式投資をしている人もいれば、マイホームを買うために株式投資をしている人もいます。
仮にマイホームを買う目的で株式投資をしている投資家がいたとしましょう。目標は5千万円の資金を株式運用で得ること。
新入社員の時からコツコツと株式投資を続け、30年後に株価の値上がりもあって目標の5千万円の資金獲得に成功しました。もちろん、持っていた株式はすべて売却して現金化しています。
この投資家が、持ち株の全てを売却したので株価は下がるでしょう。1人の個人投資家の行動だけでは、それほど大きな株価の下落はありませんが、同じようなことを考えて投資していた人がたくさんいて、同時期に同銘柄を売却すれば株価は大きく値を下げる可能性があります。
マイホームを買うことと事業活動は別物
マイホームを買う目的で株式を売却した個人投資家がたくさんいたからといって、その株式を発行している会社の業績が悪化することはありません。
個人投資家がマイホームを買ったから、工場の操業を1週間停止したり、店舗を閉めたりする企業はないです。そもそも、個人投資家のことをその企業の社長が知っていることだって稀です。
この例を見ればわかるように個人投資家がマイホームを買いたいという都合で株価が動いたのであり、企業の事業活動がこれまでと変わったから株価が動いたのではありません。つまり、株価は投資家の都合で動くものなのです。
急激な円高で日経平均株価が下落したとかニュースでよく耳にしますが、それは投資家が株式を売ったから株価が下落したのであり、急激な円高は投資家の動機でしかありません。それはマイホームを買いたいという動機と同じようなもので、個々の企業の業績が株価に反映されるかどうかは、また違ったものなのです。