株式でも、債券でも、不動産でも、投資は余裕資金の範囲内で行うのが基本です。こんなことは、投資をしていない人でもわかっていることです。それでも、投資に失敗して借金を背負ってしまう人はたくさんいます。
発想が宝くじと同じ
借金をしてまで投資をするのは、投資とは宝くじやギャンプルと同じだという発想があるのでしょう。値動きが激しい株式投資だと、一発逆転を夢見る人が出てき、そういう人が借金を背負ってまで株に手を出すのかもしれません。
債券を買う場合なら、このようなことは起こりにくいです。元本の数%の利息しか受け取れないのですから、一発逆転なんて起こりようがありません。
自己資本利益率を知ること
本来、株式投資の場合も、短期間にそれほど大きな利益を得られるものではありません。
株式投資での利益は、配当金の受け取り(インカムゲイン)や株式の売却益(キャピタルゲイン)です。配当金だけでは、あまり大きな収入は得られないけども、売却益を期待できるから株式投資は大きく儲かると言う人がいますが、そんなことはありません。
例えば、企業の自己資本利益率が5%で、利益の全額を配当に回した場合を考えてみましょう。計算をわかりやすくするために株価と1株当たり純資産は一致しているものとします。
利益の全額を配当に回していますから、この株式の利回りは5%です。この場合、株価は5%下落します。
1株当たり純資産が100円だとすると、5円の配当を受け取っているのですから、配当受け取り後の1株当たり純資産は95円になります。もしも、配当の支払いがなければ1株当たり純資産は100円ですし、翌年も1株につき5円の利益を上げて配当を受け取らなければ1株当たり純資産は105円になり、株価も105円に上がります。
これを理解していれば、売却益は配当を受け取らない代わりに得るものだと気付くでしょう。そして、株価は、毎年の利益が上乗せされていくものだとわかるはずです。
つまり、株式投資での儲けは、配当だろうが売却益だろうが、企業の獲得した利益の範囲内に収まるのです。それ以上に儲けている投資家もいますが、それは株式市場にゆがみがあるということです。そのゆがみを狙って株式を買うのは投資と言えるでしょうか?
普通に考えれば、ゆがみを探すのは宝探しと同じだとわかるはずです。