投機とは自分でコントロールできないことか?

投資と投機。よく似ている言葉ですが意味はまったく違います。

投資には、確実に資産を増加させていく活動といった意味があります。一方の投機には、成功するか失敗するかわからないギャンブルのような行為といった意味があります。自分の意思で結果をコントロール可能なことが投資であり、自分の意思で結果をコントロールできないことが投機と言われることもあります。

株式取引は投資か投機か?

ところで、株式取引は投資でしょうか、それとも投機でしょうか。

株式は、株価が上がることもありますが下がることもあります。株価がどっちに動くかを事前に言い当てるのは難しいですから、株式取引は投機になりそうです。しかし、株式を買うか売るかの意思決定は自分でできるので、損得の結果は自分の意思で導いたものだから投資とも言えます。

ギャンブルのイメージが強い競馬ではどうでしょうか?馬券を買うかどうかの判断は自分でできますから投資と言えなくもありません。しかし、レースが始まった後は自分は何もできず、ただ見ているだけなので投機と言えます。

将来の結果をどの程度言い当てられるか

自分で結果をコントロールできるかどうかという基準で投資か投機かを判断するのは難しいです。

そもそも株式取引は、自分が買った株式を発行している会社で働いていないのですから、自分の努力で業績を良くして株価を上げることはできません。コントロール不可能という意味では、株式取引は投機です。

しかし、その企業の属する産業が、今後、成長を続けていくことを様々な資料から読み取って株式を取得することは投機でしょうか?おそらく、多くの人が投資だと言うはずです。また、競馬の場合でも、経験を積んで馬券の的中率が高くなった人が馬券を買う行為は投機の性格が弱くなり投資に近づいてきます。

このように考えれば、投資か投機かは、将来の結果を自分でコントロールできるかどうかではなく、将来の結果をどの程度の確率で言い当てられるかによって決まると言えそうです。自分で将来の結果までコントロールできることを投資に要求するのなら、自分の用意した資金で会社やお店を経営することだけが投資になるでしょう。

資産形成という視点からは、投資は余裕資金の有効利用であり、減らさないことを重視することになるはずです。