低位株が割安かは企業価値を評価しないとわからない

株式市場で、低い株価で取引されている株式のことを低位株と言います。1株300円以下というのが具体的な指標となっています。

低位株を狙って大儲けする方法が、インターネット上で公開されていますが、果たしてそんなことが可能なのでしょうか?

運が良ければ低位株で稼げる

もちろん低位株で儲けることは可能です。1株100円で取得した株式が、ある時、その業種やその企業の商品が評判を集めるようになると、一気に株価が上昇しますから、短期間で投資額の何倍もの利益を得ることはあり得ます。

しかし、これは低位株特有の現象ではありません。

どんな企業の株式でも、扱っている商品やサービスが注目を集めれば株価が上がります。当たり前のことです。ただ、低位株の方が、資金の少ない個人投資家が手を出しやすいので、インターネット上で低位株で大儲けしたという情報を見かける機会が多いのかもしれません。

低位株で多額の利益を得た人は、その企業の価値を計算して投資していたわけではありません。新製品や新サービスなどがメディアで採り上げられて株価が上がったから儲かっただけです。つまり、運が良かっただけです。

企業価値が正しく株価に反映されているか

株価は、その企業の企業価値を表しています。

しかし、必ずしも株価が正しい企業価値を表すわけではありません。過大評価されることもあれば、過小評価されることもあります。多くのデイトレーダーが売買に参加していれば、株価がゆがむかもしれませんし、株式持ち合いが行われている場合には株価が高止まりしていることもあります。

低位株だからと言っても、企業価値が過小評価されているとは限りません。正しく評価されて、株価が低いこともありますし、現在の低株価でもまだ過大評価されていることだってあります。

株価が企業価値を反映しているかどうかは、財務諸表分析をしなければわかりません。

低位株で大儲けしている人はいるでしょう。でも、その人が財務諸表分析をしていなければ、ただ運が良かっただけです。それを理解せずに低位株に手を出しても、リスクテイクしているだけでしかありません。