全ての投資家が、企業価値を評価して株式投資をしていれば、株価が割高になったり割安になったりすることはありません。
しかし、全ての投資家が企業価値を評価できるわけではありませんし、世の中に出回っている株価に影響を与える情報をすぐに入手できるわけでもありませんから、株価があるべき水準に落ち着くことは稀です。また、短期投資家の存在も株価をあるべき水準から遠ざけています。
噂に流される短期投資家
短期投資家は、短い期間に売買を繰り返し利ザヤを稼いでいます。短期投資家によっては、同じ銘柄を1日に何度も売買することもありますね。このような、いわゆるデイトレーダーは、噂に流されやすいので、株式市場に不利な噂が流れた途端に持ち株を売り始めます。
しかし、その噂が個々の企業の業績に影響を与えるかどうかはわかりません。むしろ、優良企業の場合は、ちょっとやそっとで業績が悪くなることはないので、噂を無視しても問題ないはずです。
それなのに短期投資家は、噂に流されて優良企業の株式を売りますから、一時的に株価が割安になることがあるのです。
株式市場に不利な噂が流れた時こそ買い時
株式市場に不利な噂が流れた時こそ、優良企業の株式を取得する絶好の機会です。
短期投資家はチャートばかり見ているので、株価が下がり始めたら企業価値を評価せずに株式を売ります。その短期投資家が売った優良企業の株式を割安で取得するのです。
当然、あるべき株価がいくらなのかを財務諸表を事前に分析しておかないと、株価が割安か割高かはわかりません。だから、ちょっとやそっとの経済環境の悪化では倒産しそうにない一流企業の財務諸表は、普段から見ておくようにしましょう。
すべての一流企業の財務諸表に目を通すのは厳しいですが、日常生活で買うことが多い製品を作っているメーカーや利用する機会が多いサービスを提供している会社の財務諸表くらいは、見ておいても損はありません。こういった会社は親近感もわきますから、財務諸表を見るのが苦にならないはずです。