株式投資では、取得原価よりも株価が下がって損することがあります。株価は日々動いていますから、一時的に買った時よりも値下がりするのは仕方のないことです。
株で儲かるためには、利益を出すことよりも損失を少なくする方が大切だと言われます。決して間違ってはいないのですが、損失を少なくすることばかりを意識していては株式投資で儲けることはできません。
一時的な株価下落を受け入れる
損失をできるだけ少なくすることばかりを考えていると、株価に対して敏感になり過ぎます。取得したばかりの株式が、ちょっと値下がりしただけで損失が発生したと大騒ぎするのは、損失をできるだけ少なくしようという意識が強すぎるのです。
そもそも、株式投資は長期投資が原則です。一度取得した株式は、5年でも10年でも20年でも長期間保有し続けて株価の値上がりを待たなければなりません。
だから、一時的な値下がりは無視して、どっしりと構えることが大切です。このような意識を持って株式投資をするためには、取得した株式を発行している企業の業績や財務安全性をしっかりと分析できなければなりません。
そして、業績や財務安全性を分析するためには、財務諸表を読めるようにならなければなりません。財務諸表が理解できれば、株価が割高か割安かを評価できます。株式を取得する時には、株価が割安だから取得するのであり、取得原価よりも株価が下がったとしても、自分が割安に株式を取得したことに変わりありません。
こういう意識で株式投資をしていれば、一時的な株価下落は無視できるはずです。
損切りばかりしているから損する
株式投資に損失の発生はつきものです。だから、損失はできるだけ少なくすべきという理屈はよくわかります。そういう理由から、損失を少なくすることばかりを主張する人は、すぐに損切りしろと言います。
そして、損切りを主張する人は長期投資をしていません。もちろん、財務諸表も見ずに株式取引をしています。企業価値を把握していないのですから、長期間、株式を保有しても安全かどうかは全くわかりません。だから、ちょっとの株価の下落でも怖くなって、すぐに損切りをしてしまうのです。
いったん取得したら、株価は見ないという意識を持てないのであれば、株式投資はすべきではありません。