将来の不可避的な支出に充てる資金は預金で運用する

子供の高校受験や大学受験、その後の学費の支払いはほぼ確実にやってきます。このような、まだまだ先だけども将来必ずやってくる支出に備えて資産形成することは大切なことです。

今年生まれたばかりの子供だったとしても、15年後には高校受験、18年後には大学受験が待っています。まだ幼いから学費のことは、これから考えると言わず、できるだけ早期に資金を蓄えるようにしましょう。

時間があるから株式投資と考えない

15年後、18年後の支出に備えるのだから、預貯金ではなく株式に投資して資金を運用しようと考える人がいます。

しかし、株式投資は元本が保証されていませんから、将来、お金が必要な時に売却しても必ず利益が出るとは限りません。運悪く、上場企業の全ての株式が値を下げるような事態が発生することもあります。

だから、将来、確実に発生する支出に備えるためには、元本が減らない預貯金で資産形成すべきです。高校受験とその後の3年間の学費に300万円必要だとしたら、毎年20万円ずつ銀行預金でも郵便貯金でもいいので、安全に資金を蓄えていきましょう。大学受験、それも私学を受験することを想定すれば、受験費用と4年間の学費で600万円は必要になります。

高校と大学の学費を合計して900万円が必要になりますから、18年で貯めるとすると毎年50万円の貯蓄が必要です。子供が2人なら100万円、3人なら150万円ですね。

株式投資は余裕資金で

投資は余裕資金でするもの。

これは、誰もが言うことであり、投資を始めようと思っている人は誰もが聞いたことがある言葉です。

余裕資金をどの範囲に設定するかは、その人によって異なります。しかし、子供の将来の学費を余裕資金と考えてはいけません。なぜなら、学費の支払いは確実にやってくるからです。他にも、将来、必ず発生することがわかっている支出も余裕資金に含めてはなりません。

余裕資金とは、現在だけでなく将来の確実な支出も収入から差し引いた残りの金額を言うのです。20代であれば、余裕資金がそんなに多くないことはすぐにわかるでしょう。趣味や付き合いに使うお金を節約しても、なかなか投資に回せる余裕資金を捻出するのは難しいです。

今すぐに株式投資を始めたいと思っている人は、まず、将来の不可避的な支出がどれだけあるかを確認しましょう。そして、将来の不可避的支出に充てるために資産を預金で運用します。その後で、資金に余裕がある場合に株式投資を始めるべきです。

余裕資金がまだない人は、余裕資金が貯まるまで会計学の勉強をして待ちましょう。