株、FX、不動産。これらの投資をしている人の口からよく出る言葉は、「勝ち」「負け」「成功」「失敗」です。そして、勝つ人がいれば必ず負ける人がおり、成功する人がいれば必ず失敗する人がいると信じています。
このような考え方が身についている投資家は、短期投資を中心に取引していることが多いです。特にデイトレードをしている投資家は、頻繁に「勝ち」や「負け」という言葉を口にします。
一瞬の値動きから勝者と敗者が生まれる
株式であれば、日々、売買が行われていますから、売り注文が入ったタイミングで株価が下がり、買い注文が入ったタイミングで株価が上がるという動きが1日の間に何度も繰り返されます。
だから、デイトレーダーのように頻繁に売買を繰り返している投資家は、株価が低い時に買って高い時に売れば勝ちとなり、株価が高い時に買い低い時に売れば負けとなります。デイトレーダーの売買は、株価の動きのほんの一瞬に焦点を当てた取引方法だから、小さな株価の動きで得したり損したりするのです。
つまり、短期売買は、小刻みに株価が動く中での売買だから、勝者と敗者が出やすくなるのです。
長期投資なら全員が得することもある
これに対して長期保有を目的に株式に投資した場合には、全員が得する場合があります。株価が5万円の株式に投資した人が、10年間、売却せずに持ち続けたら20万円に株価が上昇したとします。この場合、5万円の時に投資した人は全員得します。つまり、全員が勝者になれるのです。
もちろん、株価が3万円になっていれば全員が損します。
短期売買を繰り返している人は、このような視点がありません。投資には必ず勝者と敗者が出るものだと思っているから、投資で重視すべきことは他の投資家よりも低い株価で株式を取得し、高い株価で株式を売るにはどうすれば良いかということだけです。
しかし、このような投資手法は投資対象の価値を全く評価していません。10万円の価値しかないものを20万円で買っても、どこかに21万円で買いたいという人がいるはずだと信じて、そのような人を探し続けます。
これが、いかに愚かな行為かは、ちょっと考えればわかるはずです。
投資とは、投資対象の価値を理解してからお金を出すことです。長期保有で利益を出す投資家は、そのような視点を持って投資をしているのです。