安全に資産形成するためには、複数の投資対象に分散投資するのが基本です。しかし、それがわかっていても、分散投資をしない個人投資家はたくさんいます。彼らも分散投資の大切さを知っているはずです。
それなのに分散投資をしないのは、投資に回せる資金が少ないからです。つまり、分散投資をしないのではなく、できないのです。
資金ができるまで待つのも資産形成には大事
少しの投資資金ができた時点で、例えば株式を取得する場合、1銘柄を1単元しか取得できないでしょう。そして、その1銘柄が大幅に値下がりして、株価がこれ以下になったら耐えられないと思った時点で売却すれば、その時点で損失が確定します。
再び、投資資金が少しできた段階で株式を1銘柄1単元だけ取得し、同じように株価が下がって我慢できずに売却すれば損失が確定します。
こんなことを繰り返していたのでは、例え少額だとしても、合計すれば大きな損失となり思ったように資産が増えていきません。また、少額の投資資金では、自分が将来性があると思った銘柄の株価が高すぎて、取得できないこともあります。
だから、資産形成に当たっては、まとまった投資資金ができるまで預貯金で安全に運用しておく必要があります。
2銘柄以上に同時に投資する
まとまった投資資金ができた場合も、1銘柄にだけ投資してはいけません。そんなことをしていたら、少額資金で1銘柄に投資するのと同じ結果になってしまいます。株式でも債券でも不動産でも、投資する場合は、複数資産に資金を分散してリスクを減らさなければなりません。
そうすれば、例え1銘柄が値下がりしても、別の銘柄が値上がりして損益を相殺できます。例え、含み益で含み損全額を打ち消せなくても、値下がり幅を小さくできれば、含み損を抱えている銘柄を売却せずにしばらく様子を見ようと思えるものです。
そうやって、取得した後長い期間保有し続けていれば、その間はさらなる投資資金が溜まっているでしょうから、別の対象に投資して今まで以上にリスクの分散を図れます。
預貯金以外での資産運用を始める場合には、最低でも2銘柄以上に投資できるだけの資金を蓄えておかなければなりません。少額でも投資資金ができた段階で1銘柄ずつ順番に投資するよりも、もう少し投資資金を蓄えてから2銘柄以上に投資した方が安全です。