どのようなことでも、期限を区切って目標を設定しなければ成功しないと言われます。これは正しい面もありますが、必ずしも目標を設定しなくても良い場合もあります。
資産形成については、どちらかというと目標設定をしなくても問題ない事柄と言えます。
何のために目標設定するのか?
例えば、10年後に3,000万円のお金を貯めるという目標を設定したとします。
では、その目標は何のために設定するのでしょうか?マイホームを購入する、子供の進学のために必要、定年退職後の生活費、人によってお金を貯める目的は違います。
子供の進学のための費用であれば、毎月、計画的に収入の一部を預貯金に回してコツコツとお金を貯めていかなければなりません。マイホームの購入や定年退職後の生活費も、子供の進学費用と同じように将来発生する支出です。
これらは、将来必要になるお金ですから、資金を運用して増やすことよりも支出を抑えて蓄えることを優先的に考えなければなりません。したがって、将来の支出に備える目的で資産を形成するのであれば、毎月の収入から、どれだけを貯金するかを決めることが大切になります。
運用益をあてにしない
将来の支出に備えるための資産形成であれば、運用益をあてにする必要はありません。
むしろ、年利何%といったように運用益をあてにしてしまうと、将来の支出時に資金を用意できない危険があります。年利10%で資産運用しようと考えれば、元本が目減りするかもしれないリスクの高い投資をしなければならないでしょう。
しかし、将来必ず必要になる資金を貯めるのにこのような投資をする必要はありません。むしろ、必要な時期に資金を用意できないことの方が問題ですから、リスクの高い資産運用をすべきではありません。
なぜ資産形成しなければならないのか、それを考えれば、年利何%の運用益の達成を目標にした資産運用をする必要がないことがわかるはずです。