株式投資は、自己資金でするのが原則です。
将来的に投資した株が値上がりする期待があったとしても、いつまでにいくらになっているかを予測することは難しいです。それなのに借金をして株式投資をすると、返済に追われて、期待したところまで株価が上がる前に売却しなければならない事態に陥る可能性があります。
株価が上がるのをじっくり待つと利息が膨らむ
自己資金で取得した株式は、株価が取得原価を上回るまでじっくりと待てます。将来、必ず取得原価以上に株価が上がると見込んでいるのなら、とにかく待ち続けるだけです。
しかし、借金をして取得した株式だと、こうはいきません。
借金は必ず返済しなければなりません。そして、返済日は借金をした時に契約で決まっていますから、返済日までに株価が上がっていなくても借金を返す必要があります。しかも、利息も上乗せして。
株式を売却して借金を返済すれば、一連の取引を手じまいできますが、それが嫌だという投資家は、再び別の金融機関から借金して最初の借金を返そうとします。こうなると、株式の値上がりで儲けることがますます難しくなります。
利息の回収もしなければならない
例えば、100万円を年利3%で借りて100万円の株式を取得したとします。
返済日が1年後なら利息を含めて103万円を支払わなければなりません。もしも、それまでに投資した株式が103万円以上になっていれば、売却して借金を返済し、いくらかの利益を得られます。
しかし、1年後に株価が103万円になっておらず、その時点で売却をしなければ、他の銀行から103万円を借りて借金を返済しなければなりません。仮に2回目の借金の利息も3%だったとします。
それから、さらに1年後に2回目の借金の返済日がやってきたとき、約106万円を支払わなければなりません。しかし、2回目の借金の返済日にも株価が上がっていなければ、また106万円を借りて借金を返済する必要があります。
これを繰り返していくと、株価が105万円程度まで値上がりしても、利息の負担があるせいで売却しても損失が発生します。いずれは大きく値上がりするという期待があっても、利息の負担に耐え切れず、どこかで売却して損失を確定させなければならないかもしれません。
株式投資のために借金をすることは、値上がり益が支払利息分だけ減ることでは済まない場合があることを知っておきましょう。