借金返済は最も安全かつ確実な資産形成

どんなに有利な投資対象でも、借金の返済に勝るものはないでしょう。もしかしたらどこかにあるのかもしれませんが、安全性と確実性の観点から考えれば借金返済は、かなり有効な資産形成の手段です。

しかし、それに気づかず借金をして資産を購入する人はたくさんいます。

元本を減らせば将来の支払利息は必ず減る

当たり前のことですが、借金の元本を1円でも減らせば将来発生する支払利息を減らせます。反対に元本を減らさなければ、将来の利息の負担額は増えます。

簡単な例で説明しましょう。

年利12%で100万円借金していたとします。この借金を全額、今、返済すれば利息は支払う必要はありません。しかし、翌月に返済した場合には1万円の利息を上乗せして支払わなければなりません。

  • 支払利息=100万円×12%×(1ヶ月/12ヶ月)=1万円

返済が2ヶ月後なら2万円、6ヶ月後なら6万円、1年後なら12万円。

利息は時間の経過とともに発生しますから、とにかく元本を早く返済しなければ、どんどん支払うべき利息が増えていきます。これは、逆に考えると、早く支払うほど支払利息を減らせるということです。

借金返済は必ず資産形成に貢献する

借金をする時、事前に返済期限、利率、返済回数などの条件を決めます。そして、債務者はその条件通りに借金の返済をしなければなりません。返済が滞ると遅延損害金が発生することもありますし、元本に利息が上乗せされて返済額が増えることもあります。

しかし、最初に各種条件が設定されているので、借金を返済していけば、確実に将来の支出を減らせます。株式投資だと、今日取得した株式が1ヶ月後に値上がりしている保証はありません。時価が取得原価を下回って損することもあります。

株式投資で年利12%で資金を運用しようと考えても目論み通りに株価が上がるかわかりません。でも、年利12%で借りたお金を今すぐ全額返済すれば、将来、12%の利息を支払う必要はありません。この点で、借金返済は安全かつ確実な資産形成と言えます。

資産形成は、財産を積み上げていくことだと思いがちです。でも、借金を返済することも将来の利息の支払いを減らす効果があるのですから、それが資産形成に貢献することを忘れてはいけません。

現在、借金がある方は、まず借金を返済することが効果的な資産形成だと理解しましょう。