社会問題化しそうな企業の株式に投資するべきか

株式投資をする際、自分が取得の候補としている企業の財務諸表を分析することは当たり前ですが、その企業の社会的信頼性も考えて投資すべきかどうかを考えるはずです。

社会的にイメージの良い企業の方が投資する側は安心できます。社会的イメージが良い企業は、売上や利益も安定するでしょうから株価の急落という危険性は低そうです。

社会的にイメージの悪い産業

日本に限らず世界中には、イメージの良くない産業があります。例えば、ギャンブル、お酒、タバコといった産業です。

社会的にイメージの悪い産業に属する企業でも上場できますから、投資家は株式市場を通して、それらの企業の株式を取得できます。だから、業績が良く、今後も売上や利益が右肩上がりに伸びていくと予測できれば、社会的イメージの悪い企業の株式に投資することも、資産運用の視点ではありです。

規制による業績の悪化も視野に入れる

しかし、ギャンブル、お酒、タバコなどは、ある時、社会問題化することがあります。ギャンブル依存症の患者数が増えることもあるでしょうし、病気の原因がお酒やタバコにあることが科学的に証明されることもあるでしょう。

こういう事態になれば、政府や自治体が何らかの規制をします。そして、これらの産業に属する企業は業績が悪化し、それに伴って株価も下落するでしょう。

したがって、安全性を重視するのなら社会的にイメージが悪い企業の株式に投資しないのが無難です。

しかし、現在、社会的にイメージが悪い産業でも、ある時、実は問題なかったと判明することがあります。例えば、コレステロールです。少し前までコレステロールが多く含まれている食品を食べると血中コレステロールが増加し健康被害をもたらすとされていました。しかし、現在では、食品に多くのコレステロールが含まれていても血中コレステロールは増えないことがわかっています。

肉や卵には多くのコレステロールが含まれていますから、これらを多く扱っている食品メーカーの売上は、コレステロールの悪いイメージから少なくなっていた可能性があります。そう考えると、今後、コレステロールが多く含まれている食材を使って食品を製造しているメーカーの売上が伸びていくかもしれません。

社会問題化しそうな産業に属する企業の株式に投資するのは、不確実な要素が多いので積極的に投資しない方が無難と言えます。しかし、間違って悪いイメージが付いている産業もあるでしょうから、気になる場合は、その産業のことを勉強して知識を身につけておくと良いでしょう。