流動性の高さは資産の安全性の指標になるが過信できない

資産形成のために株式、債券、不動産などに投資をする場合、期待運用収益率がどの程度なのかは誰だって気になります。当然、期待運用収益率が高ければ高いほど良いに決まっています。

しかし、どんなに収益が高そうだと思っても、投資対象がハイリスクであれば損する危険がありますから、収益率の高さだけでなくリスクも考慮して資産運用をしなければなりません。

また、収益性とリスクの他にも、流動性、すなわち換金のしやすさも安全に資産形成するためには忘れてはなりません。

いつでも換金できる資産ほど安全性が高い傾向にある

流動性が高い投資対象は、自分が望む時に換金しやすい性格を有しています。だから、現在の投資対象が将来的に時価が下がりそうだと判断したら、すぐに換金して将来発生するであろう損失を回避できます。

例えば、普通預金であれば、ATMで1日に引き出せる金額に上限はあるものの、すぐに現金に換えることができるので流動性が極めて高いです。また、普通預金は1,000万円までは保証されるので安全性も高いです。

定期預金は、満期日が来るまでは原則として引出せませんが、満期日が到来した後はいつでも引き出せます。満期が5年や10年だと流動性は低いですが、1年であれば流動性の高い投資対象と言えます。

このように流動性の高い資産の代表である銀行預金は安全性も高く、流動性が高いと安全性も高い傾向にあると言えそうです。

流動性が高くてもリスクの高い投資対象もある

しかし、流動性の高い投資対象が必ずしも安全性の高い投資対象とは限りません。

流動性が高いけども値動きも激しく損する危険性の高い投資対象は探せばいくつもあります。株式投資もその一つですね。

株式は、インターネットが普及した現代では比較的容易に売却可能なので、流動性はまずまず高いです。しかし、値動きが激しい銘柄だと、取得して間もない時期に株価が下落して含み損を抱えることがありますから、安全性の高い投資とは言えません。

流動性の高さは、安全性の一つの指標とはなり得ますが、流動性の高さだけで安全だとは言い切れないことを知っておきましょう。