利息はすぐに付かないし株価もすぐには上がらない

定期預金でも、個人向け国債でも、株式投資でも、資産運用を始めたら早く成果が出てほしいと思います。

しかし、定期預金や国債は利払い日にならなければ利息を受け取れませんから、ただ、その日が来るのを待つだけです。株式投資の場合は、日々株価が変動しているので、短期間に大幅に値上がりして大きく儲かることがあります。

投資は時間の経過とともに成果が出るもの

株価が短期間に大幅に値上がりすると、まるで自分の力で株価を上げたかのような錯覚に陥る人がいます。そこまで思い込みが激しくなくても、短期間に値上がりする株式を見つけて投資することは可能だと思ってしまうことはよくあります。

しかし、株価を自分の力で操作することは誰にもできません。短期間に大幅に株価が値上がりしたのは、その株式を買おうとする投資家が、あるタイミングでたまたま多かっただけの話です。決して自分の力で株価が上がったのではありません。

預金や国債を中心に資産運用をしていると、投資成果である果実(利息)は、時間の経過に伴って得られるものであり、投資家はただ時間が経過するのを待つだけだということをわかっています。だから、金利収入を目的にして資産運用をする投資家は、じっくりと待つ姿勢が養われています。

投資したら基本的に放置

定期預金でも国債でも、いったん投資したら、後は放置するだけです。

株式投資でも、株式の取得後は放置が基本です。しかし、株価は日々変動するので、つい値動きが気になり、仕事の最中でも株価をチェックしてしまいます。こういう人は、株価が低い時に株式を取得し、株価が上がったら速やかに株式を売ろうと考えているはずです。

株価が上がったタイミングで売るという姿勢なら、まだ良いです。しかし、いつまでに株価がいくらになるはずだと決めつけて株式を取得すると、予想通りに株価が上がらなかった場合に冷静な判断ができなくなって、無謀な投資をしてしまう危険があります。

また、短期の株価の変動ばかり気にしていると、仕事が手につかなくなります。資産運用をする多くの人は、ゆとりのある人生を理想としていると思います。でも、いつも株価が気になっていては、心にゆとりがなくなってしまいます。

利息はすぐには付きません。それと同じで、株価もすぐには上がらないと思って株式投資をした方が、精神的に楽になるはずです。

今日取得した株式は、自分の葬式費用にあてるのだというくらい気長に株価が上がるのを待てば、株価の変動に振り回されなくて済みますよ。