資産運用を始めようとする人は、年利何%で運用すれば、数年後に資産がどれだけ増えるかを計算しながら投資先を選んでいると思います。
何事も計画が大切だと言いますが、資産運用に関しては、当初の計画通りに資産が増えていかないものです。予想以上に資産が増えることもあれば、なかなか資産が増えないこともあります。資産が目減りする場合もあるので、いつまでにいくらの運用益を確定させると、事前に計画するのは困難です。
利回りを期待して資産形成しない
安全に資産形成をするのであれば、利回りばかりを意識してはいけません。
仮に10年後に今よりも500万円資産を増やすという目標を掲げたのであれば、働いて稼いだお金を10年間コツコツと貯めて500万円になるように計画をを立てるべきです。ただし、これは、預貯金だけで資産運用することではありません。
コツコツと定期預金や定額貯金で資産を増やしながらも、株式などのリスク資産にも投資しながら資産を積み上げていくということです。
例えば、毎月5万円ずつ貯金をすれば年間60万円の資産が増えます。利子が無くても10年で600万円の資産が増える計算です。10年間に500万円の資産を増やす目標なら、この10年間に預貯金の一部を株式などに投資して、目標の到達を早めようとするのもありです。
しかし、リスク資産に投資をしたとしても、10年間で500万円の資産を増やす目標は達成できるように資産形成をしていく必要はあります。上の例であれば、毎月5万円の貯金で10年間に600万円貯まりますから、そのうちの100万円を株式などのリスク資産で投資しても10年で目標の500万円を達成可能です。
株式投資がうまくいけば、10年かからずに目標を達成できますね。
いつまでにどれだけ株価が上がるかはわからない
いつまでにいくら株価が上昇するかは誰にもわかりません。
株価は、その企業の業績だけでなく、国の金融政策などの影響も受けますから、いつどのように変動するかを言い当てるのはとても困難です。だから、株式に投資をする場合は、いつまでにいくらの利回りを実現すると事前に計画するのはナンセンスです。
それなのに事前に利回りを自分で決めて、その利回りを達成するように銘柄を選ぼうとする個人投資家がいます。
株式投資は、定期預金や定額預金のように事前に契約で利率が決まっていないので、運用益がどれだけ出るかはわかりません。安全に資産形成をするのなら、株式投資の運用利回りがどのくらいになるかわからないことを前提に資産を増やす計画を立てる必要があります。