資産運用は過去の利回りを維持できるとは限らない

よく年利何%で資産運用すれば、10年後に目標とする資産額を達成できるという説明を聞くことがあります。

運用利回りは、良い時もあれば悪い時もあるので、いつも一定の利回りを維持するのは無理です。だから、年利何%といった場合には、運用期間の平均利回りと捉えるべきです。

運用益は過去の投資の結果

運用利回りを考える際、多くの人は過去の利回りを基準に考えます。

しかし、過去と現在では経済情勢が異なっていますので、これまでは年利5%で資産運用できていたとしても、今後も同じ年利5%で資産運用できるとは限りません。したがって、これまで平均5%で10年間資産運用をしてきた人が、これからの10年間も同じ平均5%の利回りを維持できる保証はないのです。

資産運用をする場合、ほとんどの人が、いつまでにいくらの資金を用意しておきたいと思っていることでしょう。10年後に1,000万円の資金が必要な人もいれば、2,000万円必要な人もいます。

また、絶対に10年後にいくらの資金が必要と決まってはいないけども、これくらいの資金は持っておきたいと思っている人もいるでしょう。おそらく、こちらの場合が多いと思います。

いずれにしても、いつまでにいくらの資金が必要だと決めたのなら、その目標を達成するための運用計画を立てなければなりません。しかし、過去の運用利回りが維持できるとは限らないので、計画を立てる時は厳しめにした方が良いでしょう。

高利回りを望むと元本が目減りする危険性が高くなる

誰だって、利回りは高い方が良いと思っています。

しかし、高い利回りが期待できる投資対象ほど、元本が目減りする危険性が高いことを理解しておかなければなりません。うまい具合に高利回りを維持して資産が順調に増えていけば問題ありませんが、途中で予想したほどの運用益を得られなくなることもあります。

そういう場合でも、将来の一定時点でいくらの資産を形成しておくという目標を達成しようと思うなら、国債や預貯金のような安全性の高い投資対象により多くの資産を投資しておくべきです。

このように安全性の高い投資対象にも資産を振り分けておけば、高利回りが期待できる投資対象で運用している資産が順調に計画通りの運用益を上げてくれると、当初の予定よりも早く目標の資産額を達成できます。

別に早く目標を達成しなくても構わないのですが、予定よりも早く目標を達成した方が、今後の資産運用にも余裕が出てきます。だからと言って、最初にリスクの高い投資をして早く目標を達成しようと考える必要はありません。