資産運用の際には、リスクを減らすことが大切です。リスクとは、将来の不確実性のことで、投資対象の価値が上がるのか下がるのか予測するのが難しいことを意味します。
リスクの高い投資対象は、価値が大きく目減りする可能性があるので、投資する際には慎重さが要求されます。また、複数の投資対象に分散投資すればリスクを減らせますから、ハイリスクの銘柄に一極集中投資をせず複数銘柄に投資することも大切です。
投資対象の理解なくして分散投資はできない
分散投資をすればリスクを軽減できるとは言え、投資対象がどういったものなのか理解せずに複数銘柄に投資すると逆にリスクテイクすることもあります。
例えば、すでに株式投資をしている人が、分散投資を目的に金(ゴールド)の商品先物を始めたとしましょう。この場合、自分が保有している株式の時価の変動と金の値動きがどのような関係にあるのかを理解していないといけません。株価が上がった時には金の時価が下がり、株価が下がった時には金の時価が上がる関係にあれば、両者はリスクを打ち消し合う関係にあるので分散投資に成功しています。
しかし、株価と金の時価が連動して動くのであれば、株価が下がった時には金の時価も下がるのでまったくリスクヘッジされていません。
したがって、分散投資をするにしても、投資対象がどのような値動きをするのか、つまり、投資対象がどういったものなのかを理解していなければ、下手をするとより損する危険性を高めることもあり得るのです。
国のことを知らずに地域の分散はできない
日本株にばかり投資をしていると、日本経済が悪化した時に保有している株式すべてが値下がりして大損する危険があります。だから、日本だけでなく海外の銘柄にも投資をしてリスク分散を図ることが大切だと言われています。
しかし、海外企業の株式に投資をするにしても、その企業が本社を置く国の政治や経済の事情を理解していないとまちがった判断をしてしまいます。ある国の企業の株式に投資して地域分散できたと思っていても、その国の景気が日本の景気と連動している場合にはリスク分散になっていません。
資産を国際分散するべきだと言うのは正しい主張ですが、投資対象の理解がない状況で投資するのはリスクテイクになりかねないので、投資対象のことをよく理解できないのであれば投資を控えるべきです。