損益計算書は複数期間を比較しなければ意味がない

株式投資では、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を分析することは必須です。財務諸表を分析せずに株式取引をするのは、ギャンブルでしかありません。

貸借対照表でも損益計算書でも、財務諸表を分析する場合には、1期間だけを見ても意味がありません。その企業の将来性、財務の安全性などを把握するためには、過去複数期間の財務諸表を比較して、どのように財政状態や経営成績が推移しているのかを知る必要があります。

損益計算書の期間比較

例えば、損益計算書を期間比較する場合には、企業のホームページから有価証券報告書をダウンロードしてきて、以下のような表を作ります。

損益計算書の期間比較

上の表では4年分の損益計算書を比較しています。

保有株式の財務諸表を毎期入手して表の右側につなげていけば、何期分でも比較可能です。エクセルを使えば営業利益や経常利益などの段階損益をグラフにすることもできます。

1期分だけでは偶然の要素を見抜けない

損益計算書でも貸借対照表でも、1期分だけしか見ないと、当期に偶然発生した事象を把握できません。例えば、営業外収益が当期に他の年よりも10倍多く計上されていても、気づかないということがあります。

それなら2期だけ比較すれば良いように思いますが、前期と当期の比較だけでは、どちらに偶発的な事象が含まれているのかわかりません。上の例だと、当期の営業外収益が前期よりも10倍増えていると言っても、前期が他の会計期間の1割しか営業外収益が発生していなかった可能性があります。つまり、当期の営業外収益が異常なのではなく、前期の営業外収益が異常だったかもしれないのです。

前期と当期の営業外収益のどちらが偶発的なのかを確かめるためには、前々期の損益計算書も必要になります。さらに古い損益計算書も用意すると、より詳しく経営成績を分析できます。

このように損益計算書や貸借対照表といった財務諸表は当期だけ見ても意味がありません。また、前期との比較が大切ですが、前期だけでも不十分です。最低でも3期間の財務諸表を分析しなければ、財政状態や経営成績の推移を理解することは不可能です。

株価チャートを見る暇があれば、できるだけ多くの有価証券報告書をダウンロードし、そこに掲載されている財務諸表から、貸借対照表や損益計算書などの比較表を作って、様々な角度から財政状態や経営成績を分析しましょう。