ニュースから将来の株価を予想できるか?

株式、不動産、投資信託など時価が変動する対象に投資をして資産運用をしている場合、日々、世の中でどのような事が起こっているのかを知るためにニュースをチェックすると思います。

景気に良い影響を与えそうなニュースであれば株価や地価が上がるでしょう。逆に景気に悪影響を与えそうなニュースであれば株価や地価が下がります。しかし、ニュースをチェックしていても、なかなか将来の株価を予想するのは難しいです。

経済全体に影響を与えるニュース

ニュースと言っても、個々の企業のニュースもあれば、経済全体に影響を与える可能性のあるニュースもあります。

個々の企業のニュース、例えば、新薬の開発や新技術の発明といったように新たな事業を起こせそうなニュースであれば、その企業の株価の上昇が期待できます。反対に粉飾決算の発覚や汚職事件が明るみになると、その企業の株価は下落する可能性があります。

このように個々の企業のニュースであれば、どれだけ株価が動くかはわからなくても、株価が上がるのか下がるのかを大雑把に予想することはできます。

しかし、経済全体に影響を与えそうなニュースの場合は、将来、株価が上がるのか下がるのかを予想するのは難しいです。アメリカの大統領選挙の結果がわかった時に株価が動きました。大統領選挙の結果から株価が上がると予想するアナリストもいれば、株価が下がると予想するアナリストもいます。これは、大統領選挙の結果は将来の経済環境に影響を与えるだろうと予測できても、良い結果になるのか、悪い結果になるのかを予想するのが難しいことを表しています。

歴史の長い企業の株式に投資するのが無難

経済全体に何らかの影響を与えそうな事象が発生した場合には、歴史の長い企業の株式に投資するのが無難と考えられます。

歴史の長い企業は、過去にオイルショックやバブル崩壊といった経済に悪影響を与える事象に遭遇しています。それでも、今日なお存続しているのは、危機に陥った時に生き残るノウハウが社内に根付いているからでしょう。つまり、経営環境の変化というリスクに対応できるような組織になっていると考えられるのです。

将来、経済に大きな影響を与えるであろう事象が発生した場合には、様々な噂が飛び交い、株価が上がったり下がったりします。アメリカ大統領選挙の結果を予想して的中した評論家もいれば、予想が外れた評論家もいます。それと同じで、大統領選挙の結果から、将来の株価が上がるか下がるかを予想しているアナリストたちも、全員が予想を的中させることはありません。

彼らの予想に乗っかるくらいなら、個々の企業の有価証券報告書をダウンロードして熟読してから株式投資をすべきでしょう。噂に流されて投資しても得るものはありません。でも、有価証券報告書を読んで株式投資すれば、財務分析の能力が身に付きます。

安全な資産形成は、噂に流されないことも大切です。