ニュースで株価を予測できるか?

テレビでも新聞でも、ある企業の業績に影響を与えるニュースが報じられると、株価が大きく動くことがあります。

業績に良い影響を与えそうなニュースであれば株価は上がる傾向にあります。逆に業績に悪い影響を与えそうなニュースであれば株価は下がる傾向にあります。ただし、必ずしも株価がこのように動くとは限らず、業績に良い影響を与えそうなニュースなのに株価が下がることもあります。

ニュースが報じられて株価が動くのは、そのニュースを見た投資家がその企業の業績について何らかの予測をし行動したからと考えられます。

財務諸表を見るまでは何とも言えない

企業業績に影響を与えそうなニュースであっても、影響額はその企業の財務諸表を見るまではわかりません。業績予想の上方修正や下方修正などのニュースだと、具体的な金額も一緒に報じられますから、ある程度の業績への影響額を知ることはできます。

ニュースが報じられて、株価がすぐに動くのは、その企業の株式に投資している多くの投資家が短期目的で株式取引を行っているからだと考えれます。デイトレーダーばかりだと、特にそうなりますね。

株式投資を長期保有目的で行っている投資家ばかりだと、業績予想が上方修正された時に売る理由はないので、株価は動きにくいと考えられます。下方修正の場合には、その企業に見切りをつける長期投資家もいるでしょうから、株価に影響が出るかもしれません。

いずれにしても、具体的な行動を起こすのは、財務諸表の公表を待ってからになるでしょう。

報道のされ方にも株価は左右される

同じ事象であっても、大げさにニュースが報じられれば、あせって株式を売ったり買ったりする投資家が増えることもあり得ます。

このような投資家も、おそらく財務諸表を見ずに短期売買を繰り返しているのでしょう。

企業が長く存続すれば、利益が大幅に増えたり、黒字になると予想していたのに赤字になったり、ということは起こるものです。しかし、それが企業の将来に大きな影響を与えるかと言うと、そのようなことは滅多に起こりません。

でも、短期投資家の場合は、少しでも株価に影響を与えそうな情報を入手したら、すぐに行動に移します。場合によっては、あせって売却しなければ良かったということもあるはずです。

企業の業績に影響を与える事態が発生しても、欠損を生じたり、債務超過に陥ったりすることはそうそうありません。それは、財務諸表を見ていればわかることです。