ナンピン買いより分散投資

保有している銘柄の株価が下がった時に追加で当該銘柄を購入して、平均取得単価を引き下げることをナンピン買いと言います。

ナンピン買いは、株価が過小評価されている場合には有効な投資となります。しかし、ナンピン買いをすることは、特定の銘柄に多く投資する結果となることに注意しなければなりません。

ナンピン買いではなく他の銘柄への投資

株式に限らず投資の基本は分散投資です。

持てる資金を一極集中するのは、予想外の値下がりで大きく損失を出す危険があります。だから、1銘柄の下落でも大損害を被らないようにするために複数の株式、複数の債券、複数の不動産に分散投資をするのです。

ナンピン買いは、分散投資とは真逆の発想です。ナンピン買いを続けていれば、1銘柄に多くの資金を投資するので、やり過ぎると一極集中投資になってしまいます。値を下げている銘柄の買い増しがナンピン買いなのですから、そのままの状況が続けば、積極的に損する銘柄に追加投資したのと同じです。

ナンピン買いする資金的余力があるのなら、他の銘柄に投資してリスクを分散することを考えた方が安全です。値下がりを続けている保有銘柄とは真逆の動きをする銘柄を見つけられれば、その株式に投資するべきです。しかし、そのような銘柄を都合よく見つけるのは難しいので、とりあえず、ナンピン買いをする資金があるのなら別銘柄を買う方がリスクは少なくなることを理解しておきましょう。

常にリスク分散を意識する

安全に資産形成をしようと思うなら、できるだけリスクを減らすように資金を運用すべきです。リスクとは、値上がりするのか値下がりするのか、どちらに動くのかわかりにくいことを言います。

したがって、リスクの少ない投資とは、値動きの小さい対象に投資することを意味します。リスクのある対象への投資でも、複数の銘柄へ投資すれば、リスクを打ち消し合う効果を期待できるので、投資対象を合計すればリスクは小さくなります。

分散投資とは、リスクを小さくするために行うものです。

資産を減らさない運用を心掛けるなら、いついかなる場合も分散投資を意識しなければなりません。