ナンピン買いは株価が過小評価されている時にするもの

株式投資の手法にナンピン買いと呼ばれるものがあります。ナンピン買いは、株価が下落局面にある時に株式を買い増しして、持ち株の平均単価を下げる目的で行います。

ナンピン買いをすすめる人もいれば、すべきでないと言う人もいます。どのような局面でも、ナンピン買いをすべき、あるいはナンピン買いはすべきでないと主張するのは企業価値を評価しない人たちです。

株価チャートだけを見てナンピン買いするのは賭け

例えば、A社株式を1株10万円で取得したとします。その後、株価が8万円に下がった時にさらに1株買い増しました。この場合のA社株式の平均単価は9万円になります。

  • (10万円×1株+8万円×1株)/2株=9万円

さらに株価が6万円に下がった時に1株買い増ししたら平均株価は8万円です。

  • (10万円×1株+8万円×1株+6万円×1株)/3株=8万円

このように株価が下落局面で株式を買い増しするナンピン買いは、平均単価を下げる効果があるので、株価が上がり始めると早い段階で損失を解消できます。しかし、チャートばかりを見ていても株価が回復するかどうかは事前にわかりませんから、ナンピン買いは一種の賭けです。

株価が過小評価されている場合のナンピン買いはあり

積極的にナンピン買いをした方が良い場面があります。それは、株価が企業価値と比較して過小評価されている場合です。

上記の例でA社の1株当たり純資産が12万円だったとしましょう。この場合、株価が12万円未満であれば過小評価されている可能性があります。さらに直近5年間の自己資本利益率が安定的に10%程度を維持していれば明らかに過小評価されていると言えます。

したがって、ナンピン買いをしておけば、そのうち株価が上昇し多くの売却益を得られる可能性が高いです。

ナンピン買いをすべきかどうかの判断は、財務諸表分析をしてみないことにはわかりません。株価チャートだけ見てナンピン買いをすると、業績の悪い会社の株式を買い増ししてしまう危険があります。

このような危険を冒さないためにも、財務諸表を分析できる力を身につけておきたいですね。