いつまでにいくらの資産を築いておくかを決めることが重要だと言われています。それが計画性のある生き方だと。
しかし、資産は自分の意思だけで増やすことはできません。利率が上がったり下がったりすることは自分の意思で決めたことではありませんし、株価の変動も自分の意思で決めたものでもありません。だから、資産運用に期限を設けるべきだとは、本来言えないはずです。
投資額をいつ回収できるかはわからない
株式、債券、不動産、様々な投資対象があります。このうち債券には期限があり、期限が到来すれば、あらかじめ約定された利息とともに元本が返ってきます。
しかし、株式や不動産の場合は、債券とは異なり、いつまでにどれだけの運用益を得られるかは事前にわかりません。
マンションを取得して賃貸すれば、家賃収入を期待できますが、常に満室ということはないので、いつまでに投資額を回収できるかは、ざっくりとしか予測できません。
本来、資産運用とは、このようにいつまでにいくら儲けるかを決定できないものなのです。だから、株式や不動産などへの投資は余裕資金の範囲内ですべきだと言われているのです。
借金には返済期限がある
資産運用に必要な資金をいつ回収できるかわからないのに投資のために借金をするのは変な行為です。
なぜなら、借金には返済期日があるからです。
先ほども述べましたが、株価や金利の変動は自分でコントロールできません。だから、投資対象からどれだけの利益を得られるかを事前に予測するのは難しいのです。
事前にいつまでにどれだけの利益を得られるかを予測するのが難しい対象に投資するのですから、返済期限のない資金を投資に回すのは当たり前です。期限が決められている借金で投資資金を賄うのは愚策と言えます。
個人投資家が株式などに投資して資産形成するのは、企業が事業を行うのとは意味が違います。
企業は自らの意思で事業を行い、自らの努力で利益を上げます。そして、その利益から借金を返済できます。しかし、個人投資家が株式に投資した後は、黙って株価が動くの見ているだけです。株式を売却する以外に利益を得るための努力は何もできません。
資産運用は無期限。借金は期限付き。
そのことをわかっていれば、余裕資金の範囲内で投資をするはずです。