目標株価は株式投資の指標になるが財務諸表分析は必須

証券会社などの金融機関に所属しているアナリストが予想する株価を目標株価といいます。

目標株価は、財務分析のプロによって計算されたものですから本来あるべき株価がいくらなのかを知る指標となります。ただし、目標株価だけを見て、買いだとか売りだとか判断すべきではありません。やはり、自らも財務諸表を分析して、現在の株価や目標株価が妥当かどうかを見極めなければなりません。

1株当たり純資産との比較

例えば、目標株価が1,000円に対して現在の株価が5,000円だった場合、この株式は過大評価されている可能性があります。

株式市場には、会計学を全く知らない人も参入していますし、デイトレ―ダーのようにチャートだけを見て売買を繰り返している投資家もいます。こういった人たちが売買に参加している株式は株価がゆがんでいるかもしれません。目標株価よりも現在の株価が高すぎる場合には、その傾向が強いでしょう。

しかし、目標株価が必ずしも妥当だとは限りません。だから、財務諸表を見て1株当たり純資産がいくらなのか確認する必要があるのです。上の例では目標株価が1,000円ですが、仮に1株当たり純資産が500円であれば、目標株価は現在の株価よりも妥当な水準の可能性が高いでしょう。反対に1株当たり純資産が4,000円であれば、現在の株価の方が企業価値に近いかもしれません。

複数の指標から株価の妥当性を判断する

このように目標株価と1株当たり純資産を知ることで、現在の株価が高すぎるのか低すぎるのかを判断しやすくなります。

目標株価を予想しているアナリストが、どの程度、適正な株価を計算できているのかはわかりませんが、少なくともチャートだけを見て売買している個人投資家よりも信頼できるはずです。

アナリストの見解を完全に無視するよりも参考にする方が、安全な資産形成をできるでしょう。