企業の財務分析を個別に行っていれば投資信託ではなく株式に投資する

株式に投資する場合、自分が取得しようと思っている株式を発行している企業の業績を調べるのが基本です。企業の業績を知る最も簡単な方法は、投資を考えている企業のホームページにアクセスして有価証券報告書をダウンロードし、財務諸表を見ることです。

財務諸表を分析する場合、5年分程度は見ておきたいですね。そして、5年分も財務諸表に目を通すと、とても手間がかかることがわかります。そうやって手間をかけた後に株式に投資すべきかどうか判断するのです。

投資信託への投資は複数企業の財務分析が必要

では、複数の株式をパッケージ化して細分化し、顧客に販売している投資信託はどのように評価すべきでしょうか?

もちろん、投資信託の場合も組み込まれている株式について個別に財務分析をする必要があります。組み込まれている株式を発行している企業の多くが好業績であれば、その投資信託は魅力的な投資対象になります。

反対に多くの銘柄が成熟産業に属する企業だと、その投資信託に投資して資産が増えるかどうか疑問です。

だから、投資信託に組み込まれている銘柄についても株式と同様に個別に財務分析をして、その投資信託全体の将来性を予測しなければならないのです。これは、少数の銘柄の株式に投資するよりも手間のかかることです。

外部からは組み込まれている株式がわからない

証券会社のホームページに行けば、各投資信託の商品説明が記載されているページが用意されています。目論見書も閲覧できますね。

しかし、証券会社のホームページを見ても、投資信託に組み込まれている株式の銘柄は記載されていません。隅々まで目を通せばどこかに記載されているのかもしれませんが、見つけ出すことができません。

したがって、これから投資信託を買おうかなと思っても、その投資信託に組み込まれている株式を個別に把握はできないのです。当然、投資信託に組み込まれている株式がわからない以上、財務表分析もやりようがありません。

結局、投資信託は、企業の業績を評価して投資するものではなく、証券会社や営業マンを信頼して投資するものでしかないのです。なので、財務諸表分析をできる人なら、人任せの投資信託ではなく、自分で選んだ株式に投資するはずです。