定期預金のように預入期間が固定されている預金は、インフレに弱いのでおすすめできません。短期の定期預金であれば、将来のインフレによる元本の実質的な目減りを比較的少なくできますが、金利が単利ということが多いので、それほど魅力を感じません。
定期預金に預けるほど、まとまったお金があるのなら、変動10年の個人向け国債を買うことを検討した方が良いでしょう。
個人向け国債は、国が保証している債券なので市中銀行の定期預金よりも安全性は高いです。しかも、利回りも定期預金よりも有利となることが多いという利点があります。
変動10年はインフレに強い
個人向け国債には、固定3年、固定5年、変動10年の3種類あります。
固定とは固定金利が適用されるもので、変動とは変動金利が適用されるものです。固定3年や固定5年の場合、将来の金利変動やインフレリスクがありますが、変動10年は半年ごとに金利が見直されるのでインフレリスクがありません。
なので、10年と期間が長いですがインフレリスクがない分、安全な投資と言えます。
最低でも0.05%の金利を得られる
変動10年に限らず固定でも、国債の最低利率は0.05%です。
定期預金の金利は0.05%よりも低くなることがあるので、この点からも個人向け国債は定期預金よりも有利な投資となります。
変動金利は、半年に一度見直されますが、個人向け国債の場合は基準金利に0.66を乗じた利率が適用されます。この点で通常の国債よりも個人向け国債は利回りが不利となるのですが、元本の変動がありません。
なお、利子の受取は半年に一度です。
中途換金可能
個人向け国債は、基本的に第2期利子支払日(発行から1年経過)以降、中途換金ができます。1年未満でも、死亡や自然災害といった特別な事情がある場合には換金可能です。
ただし、中途換金する場合、直前2回分の各利子に0.79685を乗じた金額を額面金額と経過利子相当額の合計額から差し引かれます。変動10年の個人向け国債は、期間が長いので、中途換金しなければならない場合が出てくるでしょう。その際、2回分の金利を失うことになりますから、固定3年や固定5年の個人向け国債や期間の短い定期預金よりも不利となります。
それでも、個人向け国債の場合は、1万円から購入可能なので、中途換金する場合でも保有するすべての国債を換金する必要はありませんから、換金する個人向け国債にかかる直前2回分の利子の約8割を失うだけで済みます。購入してある程度の期間が過ぎていれば、中途換金で失う利子は売却手数料のようなものなので、それほど高くないでしょう。
定期預金にまとまったお金を預けようと思っている方は、個人向け国債を検討してください。郵便局で買えるので、お近くの郵便局で、まずはパンフレットをもらっておきましょう。