安全な資産形勢の基本は預貯金から

株式、債券、不動産、金など、現在では様々な形で資産形成することができます。

安全性の高い資産からリスクの高い資産まで、その種類は様々。誰だって安全にかつ多額の資産を短期間で形成したいと思うものですが、それは極めて難しいです。収益性の高い投資は元本割れのリスクが高く、元本割れのリスクが低い投資は収益性も低いのが基本です。また、比較的短期間に大きな収益をもたらす投資もリスクが高い傾向にあります。

ハイリスクハイリターンの投資を好むのは悪いことではないのですが、その前にリスクの極めて低い資産でしっかりと財産を築いていくことが大切です。なぜなら、低リスク資産が少ない状況でハイリスクハイリターンの投資を行うと、一つ間違えただけで生活が破たんするような大きな打撃を受けるからです。

巨万の富を得ようとした結果、一生働いても返済できないような巨額の借金を背負ってしまっては立ち直ることができません。

だから、資産形成においては殖やすことよりも減らさないことを考えるのが非常に大切です。そして、現在、最も安全な資産形成の方法は、現金を預貯金として持つことです。

預貯金はそう簡単には減らない

預貯金は非常にリスクが低いので、そう簡単には目減りすることはありません。もちろん使ってしまえば減りますが、毎月少しずつでも預貯金に預け入れる習慣があれば、確実に残高が増えていきます。そして、その習慣を10年20年と長期間続けていけば、当初は思いもよらなかった金額の預貯金が形成されます。

お金を使わずにコツコツと貯めていくことは、現代では軽視されがちですが最も基礎的な資産形成の方法です。少しずつでも預貯金を積み上げていく習慣を持てば、次第にハイリスクハイリターンの投資に手を出そうとは思わなくなります。なぜなら、預貯金という安全性の高い資産でそれなりの財産を築いた人は、わざわざ危険なことをしてまで長期に渡って積み上げてきた資産を一瞬で失うようなことを避けようとするからです。

誰だって、長い時間をかけて手に入れたもの、苦しい思いや努力をして手に入れたものは大事にしたいと思うものです。短期間に多額の資産を形成できない預貯金でコツコツと時間をかけて財産を築くことは、人を忍耐強くさせます。

投資とは、本来、忍耐強く行うものであり、短期間に頻繁に売買を繰り返すことではありません。預貯金が安全な資産形成の基本というのは、預貯金は目減りしにくいというだけでなく、投資家の忍耐力を鍛えてくれるからなのです。

目次

  1. 安全な資産形勢の基本は預貯金から
  2. 普通預金はインフレに強い
  3. 貯蓄預金を普通預金残高に余裕ができたら検討する
  4. 中途解約できない長期の定期預金はインフレに弱い
  5. 定期預金は単利型と複利型のどちらを選ぶべきか
  6. 外貨預金は為替リスクが大きいので安全な資産形成には不向き
  7. 期間が延長される特約付きの定期預金には預けない
  8. 定期預金よりも個人向け国債(変動10年)を買う方が安全