経済環境が不確実な時代だから株式投資には慎重さが要求される

バブルの崩壊以降、日本経済は不景気に突入しています。

物価が上がらないから給料も増えない、銀行にお金を預けていても受け取れる預金利息は微々たるもの、こういう時代だから自分の力で有望な投資先を見つけて資産形成しなければなりません。

そこで株式投資をすべきだと安易に考えてはいけません。

株式投資に向いている時代かを考える

現在は、インターネットの普及で、誰でも株式投資ができる時代になりました。だから、これからは株式投資でも資産形成をする時代だと考えがちです。

しかし、株式取引をしやすい環境が整ったことと、株式に投資すべき時期は同じではありません。

1960年代や70年代のような高度経済成長期は、インターネットはありませんでしたから、誰でも気軽に株式取引をできませんでした。しかし、この時代は、どこのメーカーも作った製品が飛ぶように売れましたし、流通業や小売業でもメーカーからどんな製品を仕入れても販売できました。

このような時代では、どこの会社の株式に投資しても、株価は値上がりします。会計学の知識に乏しくても、とりあえず聞いたことがある会社が発行している株式を買えば儲けることができました。しかし、今ほど個人が株式取引しやすい環境ではなかったので、その恩恵を受けられたのは一部の投資家や企業だけだったでしょう。

では、現代の日本はどうでしょうか?

日本経済は先行き不透明ですから、どの会社が将来性があるのかを判断するのは難しいです。個々の企業の財政状態や経営成績を把握するために会計学の知識は必須ですが、それだけでは、どの産業が伸び、どの産業が衰退するのかはわかりません。だから、会計学以外にも、様々な産業に関する知識を身につけて、どの産業のどの企業の株式に投資すべきかを判断する必要があります。

将来の不確実性に対しては慎重な姿勢で臨む

日本経済の将来性が不確実である以上、株式投資に対しては慎重であるべきです。

高度経済成長期よりも株式取引しやすい環境は整っていますが、それと株式投資で成功しやすいかどうかは別問題です。

企業の将来性を予測するのが難しい状況なのに簡単に株式取引できる環境が整っているのですから、会計学の知識がない多くの個人投資家まで株式市場に参入しています。そのため、株式市場で形成される株価が、企業価値を反映していない可能性があります。

企業環境が不確実であることに加えて、株式市場で形成される株価も信頼できるものかどうかわからない状況では、株式投資に慎重であるべきです。