株式投資で儲ける方法は、株価が低い時に取得し株価が高い時に売却することだと言われています。これは事実です。安くで買ったものを高値で売るのですから儲かります。
では、株式を安くで取得するタイミングや株式を高くで売るタイミングはどうやって把握するのでしょうか?
不景気は株式投資に最適か?
景気には好景気と不景気があります。そして、好景気と不景気は循環するので、不景気の時に株式を取得しておけば、やがて来る好景気に株式を高くで売れます。
最もな理屈ですが、この考え方には重要な視点が抜けています。それは、個々の企業を一切評価せずに株式を取得することです。
株価が妥当な水準にあるかは、その株式を発行している企業の財政状態や経営成績を分析しなければわかりません。1株当たり純資産が8,000円に対して株価が5,000円なら過小評価されていると考えれます。反対に株価が10万円だと過大評価されている可能性があります。
不景気だから株価が5,000円、好景気だから株価が10万円になっていると考えることもできますが、そもそも、その企業の財政状態や経営成績を一切見ずに株式取引をしていることは問題です。まず企業の財政状態や経営成績を財務諸表からしっかりと読み取り、そこから妥当な株価がどのくらいかを評価してから株式を取得すべきです。
不景気だから今のうちに株式を買っておくという考え方は、企業価値を無視した株式取引です。
不景気で投げ売りされていたら買う
財務諸表から財政状態や経営成績を読み取り、この企業は安定して成長していると判断できたら、その企業の株式に投資する価値があります。景気の良し悪しは基本的に関係ありません。
ただし、好景気だからと言って何にでも手を出す投資家はいますし、不景気だからと言ってとにかく持ち株を売るという投資家もいます。こういう投資家が一定以上いると、株価はあるべき水準から大きく乖離します。
不景気になると持ち株をすぐに売ってしまう投資家に多くの株式を持たれている場合は、景気の悪化により株価があるべき水準以下に下がることがあります。だから、不景気で投げ売りされている株式であれば買う価値はあります。その場合でも財務諸表分析をしっかりと行った後に株式を取得しなければならないことは言うまでもあります。