過去の株価の動きは将来の株価に影響を与えない

株式取引では、過去の株価の動きを分析することが重要だという投資コンサルタントがいます。その言葉を信じた個人投資家も、過去の株価の動きを分析しないと株式投資で失敗すると他の人に言います。

その噂が多くの人に広まり、株式取引で重要なことは過去の株価の分析だと考える投資家が多くなっています。しかし、過去の株価は、将来の株価に影響を与えません。

サイコロの目を予測できない

1から6までの目があるサイコロでは、各目が出る確率は6分の1です。今までに100回サイコロを振って以下のような目の出方をしたとします。

  • 「1」=20回
  • 「2」=10回
  • 「3」=5回
  • 「4」=30回
  • 「5」=25回
  • 「6」=10回

では、次サイコロを振った時、最も高確率で出る目は1から6のどの目でしょうか?

答えは全て均等です。

過去に「3」の目が5回と最も出現数が少ないから、「3」の目が高確率で出るわけではありません。過去の株価を分析すれば、将来の株価を予想できると言うのは、これと全く同じことを言っているのです。

同じ人が同じ周期で同じ銘柄の株式を売買するか

過去の株価を分析して、将来の株価を言い当てることができる場合とは、特定の銘柄について同じ人が同じ周期で売買をしている時だけです。

  • Aさんは1ヶ月おきに100株買って15日おきに50株売る
  • Bさんは1ヶ月おきに300株買って10日おきに100株売る
  • Cさんは10日おきに200株買って1ヶ月おきに600株売る

今、この3人だけしか取引をしていない銘柄があり、売買周期も全く変更しないという条件であれば、将来の株価を予想できるでしょう。

しかし、パソコンの画面を見ていても、誰が株式取引に参加しているのかはわかりません。新たにDさんが株式を取得するかもしれませんし、Aさんが撤退するかもしれません。

株価チャートを見ていれば、将来の株価がわかるというのは、過去に出たサイコロの目を記録して行けば次にサイコロを振った時に出る目を高確率で言い当てられると言うのと同じです。

過去の株価の動きは、将来の株価に影響を与えません。過去の株価の動きから、そろそろ株価が上がるはずだと信じて株式を取得した後に企業不祥事が発覚したら、株価は取得前より下落するでしょう。

過去の株価の動きから企業不祥事の発覚を予測できませんし、反対に新技術の開発などの企業業績に良い影響を与える事象も予測できないのです。