株式投資の世界では、得する人もいれば損する人もいます。得している人は今のやり方で良いのかもしれませんが、損した人はなぜ株式投資に失敗したのかを省みなければ、また同じ過ちを繰り返してしまう危険があります。
また、今、うまくいっている人でも、将来、損する側に回るかもしれないので、株式投資の失敗談を知ることは有意義だと思います。
反省している内容が違う
インターネット上には、株式投資の失敗談を語っているサイトやブログがいくつもあります。だから、それらを読めば、なぜ損したのかがわかるはずです。
しかし、損した原因をあれやこれやと書いてはいるのですが、どうも本質とは違う話ばかりしているように思います。
こういう人たちが、よく語っているのは、「あの時、深追いするんじゃなかった」ということです。要は、相場が不利な方向に動いているのに株式を買い増ししたせいで損失が膨らんだと言いたいのです。
一言で言えば、相場を言い訳にしてるんですね。
株価純資産倍率を計算したのか?
そもそも、相場が動くのは、あるべき株価へ修正されていってるということです。これを理解せずに自分が買った時よりも株価が下がったので買い増し、上がったので売却または様子見という発想がおかしいのです。
現在の株価を1株当たり純資産で割った値を株価純資産倍率(PBR)と言います。
PBRが同業他社と比較して高すぎる場合には、その会社の株価は過大評価されている可能性があります。反対にPBRが同業他社と比較して低すぎる場合には、株価が過小評価されている可能性があります。
自分が取得した株式のPBRが同業他社よりも異常に高かった場合、妥当な株価よりも高くで株式を取得した可能性があります。当然、そうなっている株式を持っていると損する危険があるので、株価が過大評価されていると気付いた投資家は売り始めます。
つまり、株式投資で大損したと言っている個人投資家は、ここに気づかなかったのです。もちろん、他にも原因はあるでしょう。業界全体のPBRが高すぎて、それに気づかなかったということもあり得ます。
相場にばかり目が行っているうちは、安全な資産形成は難しいでしょう。