株式投資で損しないために知識が必要なことは誰でもわかります。では、株式投資で必要な知識とはなんなのでしょうか?
よく目にする答えは、「株価チャートを読む知識」です。過去の株価チャートの動きを分析すれば将来の株価がどのように推移するかがわかるとのことですが、果たして本当でしょうか。
株価チャートの動きと企業活動は別物
将来どのように株価が推移するかを株価チャートから予想するのは困難です。なぜなら、株価チャートとは関係なく企業活動は行われているからです。
例えば、今日、あなたが商社の株式を1株取得したとしましょう。その情報をもとに商社の営業マンが、顧客開拓をするでしょうか?当たり前のことですが、商社の営業マンは、あなたが株式を取得したことを知りませんし、仮に知ったところで、どこに見込客がいるのかの情報を得ることはできません。
株価チャートは投資家の株式売買の記録でしかないのですから、その株式を発行している企業が営業活動に活かせないことは容易にわかるはずです。そして、株価チャートから得られる情報を企業活動に活かせないのですから、株価チャートと企業活動が別物だということもわかるでしょう。
株価は売上と無関係
株価チャートが数日間右肩上がりに推移しているから、そろそろ下がるはずだと考える投資家がいれば、まだ値上がりするはずだと考える投資家もいます。前者が後者を上回れば株価は下がり、逆なら株価は上がります。
仮に株価が下がった場合、企業の売上は落ちるでしょうか?
そのようなことはありません。営業マンが努力すれば売上は伸びます。製造部門の品質管理活動がしっかりしていれば品質が上がり、消費者から自社製品を選ばれやすくなります。また、消費者は株価が下がったから、その企業の製品を買わないわけではありませんしサービスを利用しなくなるわけでもありません。
株価チャートが企業価値を決めているのではありません。
企業の努力によって企業価値は高まります。そして、その企業の事業活動に魅力を感じた投資家が株式を取得するから株価は上がるのです。
株価チャートを眺めていても企業価値はわかりません。企業の事業活動が魅力的かどうか、財務体質はどうなっているのか、そういったことを分析した後に株価チャートを見て、株価が割安だと判断したら株式を取得するだけです。
株価チャートを読む努力なんて必要ありません。