投資を検討している株式は有価証券報告書の主要な経営指標等の推移をチェックする

株式投資をする際、当たり前ですが、その株式を発行している企業の業績を調べなければなりません。業績を見ずに大赤字の企業の株式を取得しては、大損しかねないですからね。

あえて、大赤字の企業を選んで一発大穴狙いをする投資家もいますが、安全な資産形成を考えるのであれば、事前に業績を確かめ、安定して利益を上げている企業の株式を選ぶべきです。

有価証券報告書を手に取る

企業の業績を確認するために最初に手に取る資料は、有価証券報告書です。有価証券報告書には、その企業の一会計期間(1年間)の状況が記されています。財務諸表はもちろんのこと、この1年間の事業内容がどうだったのか、次の事業年度はどのように課題に対処していくのかなど、投資家に役立つ情報がたくさん掲載されています。

ある企業に興味を持つ理由は、テレビで紹介されていた、お店で手に取った商品を気に入ったなど様々あります。そして、その企業の株式を持ちたいと思ったら、まずはその企業のウェブサイトのIR情報のページから有価証券報告書をダウンロードしてください。

過去5年間の業績をざっくり見る

有価証券報告書をダウンロードしたら、最初の方に記載されている「主要な経営指標等の推移」をチェックします。このページには、過去5年間の損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書の主要な項目の推移が載っています。

損益計算書項目は右肩上がりに増加していれば、その企業の業績は安定していることがわかります。しかも、右肩上がりに推移していますから、事業規模が拡大してると推測できます。

次に貸借対照表項目の純資産と総資産に目を移します。こちらも、右肩上がりに金額が増加しているのが好ましいです。ただし、純資産の増加幅よりも総資産の増加幅が大きい場合には、負債が純資産以上に増加していることになるので注意して見なければなりません。なので、自己資本比率の推移も確認して、低下傾向になってないかどうかもチェックしておきましょう。

キャッシュ・フローの状況は、損益計算書の補完として見ておけば問題ありません。

大きく金額が動いている年度はないか

過去5期間の経営指標等を見て、どこかの年度に大きな金額の変動があった場合には、その年度の有価証券報告書をダウンロードして、その理由を細かく見ていきましょう。

3年前だけ純損失だった場合には、その会計年度に何か大きな事件が発生しているはずです。不採算部門からの撤退、主要な取引先の倒産、海外での経営活動に支障が発生したなど、何らかの理由が見つかります。

気になる企業があったら、とにかく有価証券報告書をダウンロードし、経営指標等を確認することです。それほど手間はかかりませんし、こうやって有価証券報告書を見る機会を増やしておくことで財務諸表の数字を理解する能力もついてくるものです。