株式投資の成功に株式取引の書籍は役立つのか?

株式投資を始める時、多くの人が株式取引の書籍を読むはずです。証券会社にどうやって口座を開設するのか、手数料はどれくらいか、株式取引で得た所得にどれだけの税金がかかるのか、そういった基本的な情報を知るために株式取引の書籍は役立ちます。

しかし、株式投資で成功するために必要な情報は株式取引の書籍には書かれていません。また、株式取引の必勝法のような書籍にも成功するための方法は書かれていないと言ってもいいです。

株価チャートの分析では株式の価値はわからない

株式取引の必勝法の類の書籍では、株価チャートの見方ばかりが解説されています。株価チャートがどのように動いていると買いだとか、どのように動くと売り時か、そういった情報ばかりで、株式の価値がいくらなのかを自分で理解するための方法はまったくと言っていいほど書かれていません。

すなわち、株価チャートを見る株式取引の必勝法は、株式の価値ではなく、株式取引に参加している投資家が次にどのような行動をとるのかを推測する方法を紹介したものでしかないのです。

他の投資家がある銘柄を取得したとしても、それで、その会社の業績が上がるわけではありません。会社の業績を上げるのは、その会社の経営者であり従業員です。つまり、企業価値を生み出しているのは、会社外部の投資家ではなく会社内部の人々であり、投資家の行動の結果である株価と企業価値は本来別物なのです。

まず会計学を勉強する

ある会社の企業価値がどれくらいなのかを把握するために絶対に必要となる知識が会計学です。会計学は、企業の財政状態や経営成績を貸借対照表や損益計算書といった財務諸表で表すための学問であり、企業価値は財務諸表から読み取るものです。

会計学を知らずして企業価値を評価することはできません。したがって、会計学を知らずに株価チャートだけを見て株式取引をすることは、他の投資家の行動を見て株式を買うべきか売るべきかを判断しているだけでしかありません。

その行動のどこに企業価値を評価する過程が含まれているでしょうか?普通に考えれば、株価チャートで企業価値を測れないとわかるはずです。

株価チャートから株式を売るべきか買うべきかを判断するのは、隣の山田さんが買ったから自分も同じ銘柄を買おうというのと同じなのです。