株式投資を始めたいけども元手が十分にない。
そのような状況にある場合、今ある少ない貯蓄でも利益を出せる株式投資手法はないかと、インターネットでいろいろと調べることでしょう。1年後に10万円が20万円、30万円が60万円といったように元手の2倍になる投資成果を少額の資金で実現できないかと探し回れば、いずれ、そのような情報にたどり着きます。
1年後に企業の規模が2倍になっているか
株式投資で、1年後に元手を2倍に増やすためには、自分が投資しようとしている株式を発行している企業の業績が好調でなければなりません。
では、どれくらい好調なら株価が2倍になるのでしょうか?
答えは簡単です。その企業の全てが2倍になっていれば株価も2倍になります。売上2倍、当期純利益2倍、純資産2倍、従業員数2倍、取引先2倍。とにかく企業規模が2倍になっていれば、それに釣られて株価も2倍に上がります。
しかし、1年で企業規模が2倍になることは、そうそうありません。前年との比較で売上や当期純利益を20%増にすることだって難しいことです。企業規模が1年で2倍になるためには、企業努力だけでなく、為替相場、税制改正、中央銀行の金融政策など外部要因も、その企業業績の向上を後押しするものでなければ厳しいでしょう。
強運な成功者の後ろに多数の失敗者がいる
どんなに将来性のある企業でも毎年倍々で企業規模が成長することは、そうそうあり得ないのですから、株価が1年で2倍以上になることを当てにすべきではありません。
それでも、インターネット上のブログなどを見ていると、株式投資で元手の2倍も3倍も運用益を出したという情報が書かれていることがあります。その情報が事実であれば、きっと、デイトレードのように頻繁に株式の売買を繰り返したのでしょう。
そのような投資家が100人いれば1人くらいは、1年後に投資資金を2倍にしたという人が出てきても不思議ではありません。そのような100人に1人の運よく元手を2倍にできた人がブログなどで情報発信をしているのでしょう。
少額投資で成功した人の後ろに失敗した人がどれだけいるのか。
それをじっくりと考えれば、株式の少額投資で利益を出すことがいかに難しいことかわかるはずです。