株式投資で成功する人と失敗する人。両者の情報はインターネットで検索すれば、いくらでも出てきます。このうち失敗理由については、損切しなかった、高値で株式を取得したなど、売買のタイミングを誤ったという内容をよく目にします。
しかし、それらが本当に株式投資で失敗した理由なのでしょうか?
会計学を勉強していない
株式投資の失敗談を読んでいていつも思うのが、会計学の話が全く出てこないのはなぜかということです。
株式投資の失敗理由は、企業価値以上で株式を取得したか、企業価値以下で株式を売却したかのどちらかでしかありません。そして、企業価値を把握するためには会計学の知識が必要になるので、株式投資の失敗の大きな原因は会計学を勉強せずに株式投資を始めたことと言えます。
しかし、株式投資の失敗談では会計学について触れられることはありません。したがって、失敗談を語っている人から学ぶべきことは、会計学を無視した株式取引をしていたから損したということなのです。損切できなかったとか高値で取得したとかは、些末な問題でしかありません。
価値がわからずに骨董品は買わない
例えば、骨董品に興味がある方が10万円の値札が貼られた茶碗を見て、すぐに購入するでしょうか?
清水焼なのか有田焼なのかもわからず、単に10万円の値札が貼ってあるから、この茶碗は10万円の価値があるんだと信じて買うようなことはしないはずです。本当に茶碗に興味があるのであれば、茶碗の歴史や製法について書籍などで学ぶはずです。また、茶碗の特徴から作者が誰かを見極められるようにもなるでしょう。
そのような確かな目があってこそ、10万円の値札が貼られた茶碗が実際に10万円の価値があるのかどうかを判断できるようになるのです。
茶碗がネットオークションにかけられている場合でも、その茶碗が5万円程度の価値しかないとわかれば6万円や7万円に値が上がったとしても、決して手を出しません。
株式投資も同じです。30万円の価値しかない株式を40万円も50万円も出して取得するのは愚かなことです。その企業の株式を30万円の価値だと評価するためには、会計学の知識がどうしても必要になります。その知識なくして株式投資をしているのですから、損するのは当たり前です。