投資家心理を読めば株式取引で儲かるというような必勝法がインターネット上にはゴロゴロと転がっています。
株価は投資家の行動によって変動しますから、投資家心理を読めれば株価が低い時に買って高い時に売ることが可能です。しかし、投資家心理を読む投資の必勝法は、そのうち廃れるので、そのような手法を追い求めるのは虚しいだけです。
投資家心理を読む必勝法は陳腐化する
例えば、3日連続で終値が下がり続けている株式は、多くの投資家が手を出すので買ってすぐに売れば儲かるという必勝法があったとしましょう。
これは、まさに投資家心理を読んだ必勝法です。もしも、この必勝法を多くの投資家が知ればどうなるでしょうか?そう、3日連続で下がり続けた株式を買ってすぐに売る投資家が増えます。
自分だけがこの必勝法を知っていれば、買った後に少し時間を見てから売って利益を得られます。しかし、多くの投資家がこの必勝法を知っていれば、買ってからすぐに売られるので、一瞬の株価上昇と一瞬の株価下落が混ざり合い、大した値動きが起きません。
インターネットは、今や誰でも低コストで情報を得られる道具になっていますから、株式投資の必勝法もすぐに知れ渡ります。特に投資家心理を読んだ必勝法は、知る人が多ければ多いほど早くに陳腐化するのです。
投資家心理の前に財務諸表を読む
株式投資をするのなら、財務諸表を読むのは当たり前です。企業のホームページを見れば、誰でも有価証券報告書をダウンロードできるのですから、財務諸表の入手には手間も時間もほとんどかかりません。
たったこの程度の手間をかけずに投資家心理を読むことに時間を費やすのは無駄なことです。
企業が儲かるから株主も儲かるのです。他の投資家の行動と企業が儲かることは別問題です。それなのに投資家心理を読んで儲けようとするのはおかしな話です。
投資家心理を読む暇があったら財務諸表を読みましょう。