株式投資の成功事例は短期売買ばかり

インターネット上では、株式投資の成功法則や成功事例を紹介したサイトやブログがたくさんあります。

それらの多くは、短期売買を繰り返してうまくいったものばかりなので、長期投資で資産形成をしようと考えている方には不向きな内容です。

勝ち負けの話が多い

短期投資で成功した人の話は、勝ち負けの話が多いです。株式投資で自分が得したら他の投資家が損するという短絡的な考え方を述べていることもあります。

1週間前に100万円で取得した株式を今日95万円で売れば5万円の損です。今日95万円で取得した人が1週間後に100万円で売却すれば5万円の得です。

一見すると、前者が敗者、後者が勝者となるのでしょう。しかし、前者があと1週間、株式を持っていたら100万円で売却できたので損も得もしません。

株式投資を勝ち負けの問題だと捉えてしまうのは、短期売買を繰り返して、得したり損したりを頻繁に経験しているからです。これは、競馬と同じ思考です。朝から夕方まで競馬場にいて、馬券を買い続けていると、得したり損したりを何回も繰り返します。得した時を勝ち、損した時を負け、そう考えてしまうのはギャンプルをしている時なのです。

短期売買は腹の読み合い

競馬の場合、レースで1着になる馬を当てればいいのですから、馬券で得している人は、馬の実力を分析する能力があると考えることができます。

これを株式投資に当てはめると、株式を発行している企業の事業内容、経営能力、製品の品質などを分析して、1株当たり純資産が将来どれだけ増加するかを予測することと言えます。しかし、短期売買で成功している投資家の話では、このような話題が出てくることは稀です。

彼らが話題にしているのは、相場がどう動くかだけです。それは、株式取引に参加している投資家同士の腹の読み合いでしかありません。

短期売買で稼ぎたいという人は、こういった成功体験を読むのも良いでしょう。しかし、長期投資で資産を形成して行こうと思っているのなら、短期売買での成功体験は何の役にも立たないでしょう。