株式投資に期限を設定する意味はない

どのようなことでも期限を設定して、計画を立てなければ成功しないと言われています。自己啓発書でよく目にする文章ですね。

高校受験や大学受験では、期限付きの目標設定は有効でしょう。試験日が決まっていますから、そこから逆算して、いつまでにどの科目をどこまで勉強し終えている必要があるかを導き出すのは、それほど難しいことではありません。勉強が遅れていると思ったら、今までよりも勉強時間を増やして帳尻を合わせることも可能です。

しかし、株式投資では、いつまでに資産価値をいくらに増やすという目標設定は意味がありません。

自分の努力で株価は動かない

10年後に現在よりも保有株式の時価を2倍にする。

このような目標を設定したところで、自分の努力で株価は上がりません。10年後に株価が2倍に値上がりするためには、単純に企業の純資産が10年後に2倍になっていなければならないことは容易に想像できるでしょう。

しかし、株主、特に個人投資家は企業の経営にほとんど関与できないので、業績を上げるための努力をしようがありません。つまり、株主には株価を上げるためにできることが何もないのです。

努力でどうにもならないことに期待しない

自分の努力で株価を上げられない以上、株式投資に関しては期限付きの目標を設定することは無意味です。株主にできることは、投資している企業の経営者や従業員が一所懸命に働いて企業価値を高めてくれることを陰ながら応援するだけです。

もしも、応援する以外に株主にできることがあるとすれば、株主自身もしっかりと働いて給料を増やし、多くの銘柄に投資してポートフォリオを大きくすることでしょう。もちろん、闇雲に株式を取得していたのでは値下がりする危険がありますから、有価証券報告書を読んで、財務分析しなければならないことは言うまでもありません。

株式投資に期限を設定するのであれば、株価の上昇に期待するのではなく、家計を節約するなりして、株式への投資資金をどのように増やしていくかを考えるべきです。