株価の将来予測は困難だから分散投資する

株式投資で最も多くの収益を上げる方法は、1銘柄に全財産を集中的に投資することです。

ある銘柄の株価が現在10万円だとしましょう。そして、1年後に株価が30万円に上がると予測し、その他の銘柄で株価が1年後に3倍に上がるものはないと判断したとします。この場合、現在10万円の銘柄が最も収益性が高いと予測しているのですから、この銘柄に持てる資金の全てを投資すべきです。

将来は予測できない

しかし、株式投資の書籍では、分散投資をすべきことが述べられています。どの本を読んでも、分散投資の重要性が書かれています。

最も値上がり益を期待できる銘柄1本に絞って投資した方が利回りが高くなるはずです。それなのに分散投資をすすめるのは、将来の株価を完璧に予測できないからです。

どんなに企業の業績や財政状態を分析し、市場動向を調査したり経済のトレンドを追いかけても、1年後でさえ将来を言い当てることはできません。だから、1銘柄に絞って集中投資することは推奨されないのです。反対に1銘柄に絞って投資すべきだと述べている人がいたら、その人の言ってることには懐疑的でなければなりません。

大ケガをしないためにも分散投資の癖をつけておく

一極集中投資では、将来予測が外れた時に大きな損失が発生する危険があります。

どんなに将来を慎重に予測しても、ほとんどが外れるのです。将来を言い当てることは難しいのですから、将来、何が起こっても大打撃を受けないように株式投資をする癖をつけるべきです。

保有資産の大幅な下落を避けるためには、とにかく様々な銘柄に分散投資することです。複数銘柄を買っておけば、どれか一つが大きく値を下げても、ポートフォリオ全体の時価の下落率は当該銘柄の下落率よりも小さくなります。

また、ある銘柄が値を下げても、他の銘柄が値を上げ、損益が相殺される場合もあります。

資産形成をする上で大切なのは、資産の目減りを避けることです。一発大きく儲けてやろうとするのではなく、損失を避ける方向で株式投資をした方が、良い結果が出る確率が高まります。

名の知れたトレーダーですら、複数銘柄に投資してリスクを分散しているのですから、会社勤めの方が1銘柄に大きく投資して稼げる確率は極めて低いのだと思うべきです。