株価は日々動いていますが、長期間、チャートを見ていると何やら株価の変動に法則性があるように見えてきます。
財務諸表を見てじっくりと企業の業績を分析している投資家なら、そんなことは気にならないでしょう。しかし、チャートばかりを見て短期売買を繰り返しているデイトレーダーのような人は、株価変動の法則性を知りたいと思うはずです。
株価が上がるのは何月か
株価変動に法則性があるのなら、株価が最も低くなる月と最も高くなる月を抑えておけば、株式投資で確実に儲けられます。
例えば、決算月は株価が最も高くなり、決算から5ヶ月後が最も株価が低くなる傾向をチャートから見つけたとしましょう。仮に3月決算の会社であれば、毎年8月頃に株式を取得し3月に売却すれば必ず利益が出ます。
この噂がまことしやかに投資家の間で広まればどうなるでしょうか?
3月に最も株価が上がるのであれば、多くの投資家が3月にその株式を売却するはずです。また、8月に最も株価が下がるのであれば8月に多くの投資家がその株式を取得するはずです。そうすると、今度は3月に最も株価が下がり、8月に最も株価が上がるようになります。
結局、何月に株価が上がるかをチャートから見つけ出しても、他の投資家も同じように何月に株価が上がるのかを調べていたら、買うタイミングと売るタイミングは変わってしまうのです。
ネタがないだけ
株価が上がりやすい月と下がりやすい月がいつなのかを発信しているメディアは、単に記事にするネタがないから、そういうことを書いているだけかもしれません。
株価が上がるかどうかは、その企業で働いている従業員の頑張りに大きく依存しているのですから、株価が上がりやすい月や下がりやすい月の法則性を見つけることに大した意味はありません。
チャートばかりを見ずに有価証券報告書を読んだ方が、その企業の業績を正しく理解でき、株式投資に役立つはずです。