株式投資は、配当金や株主優待がなければ、株式を売却した時に損益が確定します。そして、最も株価が高い時に売ると最も多くの利益を得られます。だから、株式投資をしている多くの個人投資家が、株価チャートを見ながら株を売るタイミングを見計らっています。
しかし、株価チャートをどんなに見ても、株式を取得した時に支払った金額が変わることはありません。
株式投資は取得段階が重要
自分が株式を取得した時の株価よりも、売却する時の株価が低ければ損します。したがって、取得原価よりも株価が上がることが期待できる状況でなければ、株式を取得してはならないのです。
そのことをわかっていれば、株式投資では売却のタイミングを計る事よりも、取得するタイミングの方が重要だと理解できます。
どういうことか理解できない人は、馬券を買う時のことを思い浮かべてみましょう。馬券はレースで1着になる馬を予想し、その予想が的中すれば配当金がもらえます。配当金の倍率は、その馬にどれだけのお金がかけられたかによって変化します。
株価チャートを見て株式の売却タイミングを見定めようとするのは、馬券を買った後に配当金の倍率の変化を見ているのと同じです。すでに馬券を買った後なので、あとはレースが始まり、自分が選んだ馬が1着になるのを待つしかありません。馬券購入後に倍率がどう動こうと、レースの結果を変えることはできないのです。
株価が割高な時に買えば損するのは当たり前
株式投資も、馬券を買うのと同じように取得段階で勝負は決まっていると思うべきです。
どんなに株価が上がれと祈ったところで、その株式を発行している企業の業績が伸びなければ株価は上がりません。つまり、割高な株価で株式を取得した場合、株価チャートを見続けて売却のタイミングを見つけようとしても、そのようなタイミングはやって来ないのです。
株式投資で大切なのは、株式を取得する合理的理由を見つけ出してから株式を買うことです。株価は、企業の業績を反映するのですから、その企業の将来の業績を予測できなければなりません。そして、企業の業績を予測するためには、絶対に財務諸表を分析できる能力を身につけなければなりません。
株式投資では、株式を取得するまでにどれだけの手間をかけて企業価値を分析できるかが重要であり、その手間を惜しんだ個人投資家はどのタイミングで株式を売却しても損するだけです。
財務諸表を見ずに株式取引をして利益を出す人はいますが、その結果は運でしかありません。