投資家が求める理想的な株式は、株価が右肩上がりに上昇していく銘柄です。これは、株式投資以外のことにも言えます。給料も安定的に増えていく方がいいですし、預貯金も毎月増加するのが理想です。
投資家は、そのような企業を見つけて株式を取得すべきです。しかし、チャートしか見ていない投資家は安定成長している企業に気づきません。
利益も純資産も伸びている企業を探すには
株価は、その企業の業績を反映したものです。そして、過去の業績から将来も成長すると予測できると、将来獲得が予測される利益も株価に反映されます。
ある企業が、今後も成長し続けるかどうかを予測するのは難しいです。いつ何時、どのようなことが起こるかわかりませんから、ある企業の株価が絶対に上がるとは言い切れません。でも、大災害などの不測の事態が発生しなければ、今後も安定的に成長すると予測するのは不可能ではありません。
過去の有価証券報告書を見て、売上や利益が毎期増加傾向にあり、それにしたがって総資産や純資産も増えている企業なら、今後も安定的に成長する可能性が高いです。
反対に売上が大幅に伸びたり前年比でマイナスになったりと、上下動が激しい企業であれば、ちょっとしたことで業績が悪化する危険があります。このような企業を見つけるのも、やはり、有価証券報告書からです。
1期分の有価証券報告書を見ても意味がない
有価証券報告書を読んで、その企業の将来性を判断する場合、1期分の有価証券報告書だけを見て結論を出してはいけません。
有価証券報告書は、今や企業のホームページからダウンロードできる時代になっていますから、何期分もさかのぼって有価証券報告書を取得しましょう。そして、財務諸表の各数値がどのように変化しているのか、その企業が置かれている経済環境にどう対応してきたのかを読み取ります。
そして、エクセルのような表計算ソフトに年度ごとの財務数値を入力し、売上や利益が右肩上がりになっているのか視覚的に捉えます。もちろん、その企業がどのような商品やサービスを提供しているのかといった基本的なことも知っておかなければなりません。
株価が安定的に右肩上がりで成長しているのは、同じように企業の業績も右肩上がりで成長しているからです。しかし、世の中には、チャートばかりを追いかけて株式取引を行っている投資家もいますから、株価が右肩上がりになっていても、必ず企業業績が右肩上がりになっているとは限りません。
チャートしか見ていないと、こういったことに気づかないでしょう。